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INTERVIEW

2022.06.21

【インタビュー】強くなってみんなを幸せにしたい――。三月のパンタシアのニューシングル「四角運命 / アイビーダンス」に込められた深い想いをみあが語る。

【インタビュー】強くなってみんなを幸せにしたい――。三月のパンタシアのニューシングル「四角運命 / アイビーダンス」に込められた深い想いをみあが語る。

三月のパンタシアがニューシングル「四角運命 / アイビーダンス」をリリースした。4thアルバム『邂逅少女』から3ヵ月という短いタームで届いた通算8枚目のシングルは、TVアニメ『カッコウの許嫁』のEDテーマとして書き下ろされたダークでエッジーなロックチューンと、フレデリックとコラボしたダンスポップ「アイビーダンス」の両A面。さらに、優しく爽やかな風を運んでくれるギターロック「ユアソング」も収録されており、ボーカリストで作詞家で小説家でもある「みあ」のソロユニットである三パシの魅力を多方面から味わえる1枚となっている。

ファンの声に救われた――

――今年の3月から4月にかけて開催された東阪ライブ“三月のパンタシア LIVE2022 / 邂逅少女”の感想からお伺いできますか。

みあ はい。色んな出来事があったなぁって思うんですけど、大きく感じるのは、私が大阪公演の直前にコロナウイルスに感染してしまって。結果として、大阪公演を延期して、東京公演から東阪ツアーがスタートするという形で幕を上げていくことになったのですが、療養期間中にライブに対して思うことがたくさんあって。もちろん、体調を早く治して回復するということを念頭に置きつつ、やっぱりずっとライブのことを考えてたなって。改めて振り返っても思いますね。

――どんなことを考えてましたか?

みあ あまりネガティブなことばかり考えても仕方がない部分もあるというのは理解しつつも、私にとっては初めての大阪公演だったので、すごく楽しみにしてくれていたファンの子や、ずっと待っててくれてた子もたくさんいて……そのライブを延期にしなきゃいけないということに対しての心苦しさが一番最初に襲ってきて。「どうしてこのタイミングでこんなふうになっちゃったんだろうな……」「こんなに気を付けてたのに……」って。ちょっと落ち込んでしまったんです。でも、そこで救ってくれたのは、やっぱりファンのみんなの声だったなと思って。「自分たちはいつでも待ってるので、早く元気な姿を見せてください」っていう1つ1つの声にものすごく救われて。そこで、「ヘコんでるだけじゃ前に進めない。とにかく早く療養しよう。今、私がみんなにできる一番のことは元気いっぱいになって、みんなに素晴らしい音楽を届けに行くことだ」って気持ちを切り替えることができた。しっかり療養して、そのうえで東京公演はステージに立つことができたんですけど、ちょっと体調的な不調というか……今だから正直に言うと、やっぱり、やり切れなかった悔しさっていう部分も多少あったんですね。

――モニターのトラブルもありましたし。

みあ そうですね。てんやわんやの中でのライブではあったんですけど、バンドメンバーやスタッフの皆さんにも助けてもらいながら――そして、やっぱりファンのみんなにも声はまだ出せないけど、ボディアクションで声援を送ってもらって。帰ってこれる場所があることのありがたさを改めて感じたライブになりましたね。ライブをやりたいと思っても、待っている人がいないとできないですし、こんな大変な状況の中でも足を運んでくれるファンの一人ひとりの思いがないとできないですよね。そのありがたさをしみじみと実感できたライブでしたし……なんか……もっと強くなりたいって思いました。

――その後の大阪公演はどうだったんですか?

みあ 大阪にライブで訪れるのは初めてだったので、みんながどういう形で楽しんでくれるのか不安な気持ちもあったのですが……熱狂というか、熱気が伝わってくるようなライブでした。私も東京公演を経て、自分なりの反省点を映像で確認して。今回は初めてお立ち台をステージにおいたパフォーマンスにもなっていたので、見せ方の部分でも試行錯誤を重ねて、大阪に臨んだんですね。その成果が上手く結びついたライブにできたのかなという手ごたえもあって。お客さんもすごく盛り上がってくれて嬉しかったです。

――東京公演が初披露となったダンスポップ「アイビーダンス」は大阪でも歌ったんですよね。

みあ はい。もう、すごい盛り上がりでした。会場が爆発しそうなくらい盛り上がってましたね(笑)。大阪ではパンダも登場して。

――そうなんだ!パンダも一緒に踊ったんですね。

みあ はい!すごく幸せな空間でした。MVも公開してたので、完璧に踊れてる人もいれば、見よう見まねで様子を伺いながら踊ってる人もいて。でも、最後はパンダをお手本にしながら全員が全身で踊ってくれて。本当に不思議なんですけど、視力が良くなったのかな?と思うくらい、フロアの景色が鮮明に見えて。照明の明るさかもしれないんですけど(笑)、会場の隅々までよく見えたことが嬉しかったし、一人ひとりの姿や思いを感じることができた曲だったなと思います。

フレデリックとコラボしたダンスナンバー「アイビーダンス」

――「アイビーダンス」はフレデリックとのコラボ曲になっています。少し意外な印象を受けたのですが。

みあ 今までの文脈とは少し違うし、また、三パシのパブリックイメージからすると、もしかしたら意外性があるのかもしれないですけど、個人的にはフレデリックの音楽がすごく大好きで、ずっと聴き続けていて。こっそりと「どこかで何かご一緒できる機会があるといいなぁ」というのは考えていて。私たちにとって一番特別な季節である3月に新曲を披露すると考えたときに、一番最初に「ライブで一緒に遊べるような曲を作りたい!」というのが念頭にあって。以前だったらめちゃくちゃコール&レスポンスを入れて、一緒に歌って、はしゃいでっていう形にしていたと思うんですけど、今の情勢を鑑みて、しばらくは発声が厳しいっていうことを踏まえたうえで、「歌えないなら踊ればいいじゃないか」と思って。じゃあ、もう心から踊りあかせるような楽曲にしたいと思ったところから楽曲の輪郭が出来上がっていきました。私の頭の中ではフレデリックが発信されている“フレデリズム”という特有のビートが鳴り響いて。もしここでご一緒できたら嬉しいなあと思い、お声掛けさせていただきました。

――一緒にやってみてどうでしたか?
みあ 最初のデモ音源をいただいた時点で、もうイントロにフレデリックの特有のビートがものすごく刻まれているのを感じて。それだけでも気持ちが高まっちゃうような楽曲だなと思ったし、やっぱりサビのメロディがすごく印象的なんですよね。歌詞は私が書かせていただいたんですけど、フレデリックの楽曲は、特徴的なメロディと言葉のハマりがすごくマッチした世界観が魅力だなと思うので、自分の言葉選びとフレデリックのメロディの良さが上手く噛み合うような曲にしたいという思いで歌詞も書いて歌いました。

――歌詞についてですが、ライブのMCでは「君と私の祝祭の歌です」とおっしゃっていましたね。

みあ 三パシは小説と連動しているというのが1つの大きな特徴だと思っていて。基本的には私が書き下ろした小説物語を軸に、その主人公の女の子の思いを楽曲にしていくスタイルなんですけど、「アイビーダンス」に関しては、主人公は<みあ>で、<君>はファンだという思いで書いています。コロナ禍を経て、なかなか会えなかったけど、今ようやく再会できた。ライブでは距離なんか忘れて、「今日だけは一緒にはしゃごうよ」というメッセージを込めています。

――“星の溢れるライブハウス”というフレーズもありますね。

みあ そうですね。ステージからはみんなの笑顔がキラキラしているのが本当によく見えるので、そういう情景を思い浮かべながら書いて歌いました。

――タイトルについてMCでも説明はしてましたが、改めて、どうしてアイビーに?

みあ 色んな意味を込めているんですけど、まずは歌詞に“花の匂いがして 見上げると 君がいるんだ”とお花に関する歌詞が出てきて。その花に、アイビーという植物の花言葉を込めているんですね。<永遠の愛>という花言葉をもっているので……「私たち、永遠に幸せでいようね」という思いを込めたっていうのと……。

――MCでもそう言ってましたけど、プロポーズに聞こえてましたよ。

みあ もう、私が幸せにするしかない!

――なんと!

みあ あはははは。言葉にすると照れくさいんですけど、でも、そういう思いでつけてます。あとは、「私は踊ります」=「I will be dance」をかなりきゅっと煮詰めて、短縮して、「アイビーダンス」。踊りたい、踊りますという意味合いだったり、“アイ”には、“I(私)”だけじゃなく、愛情の”愛”もあったりとか、色んな意味を込めたタイトルになっています。あと、ダンスはみんなが真似できる簡単でキャッチーな振付をお願いしてたんですけど、「愛してる」という意味のハンドサインも盛り込んでもらって。すごく素敵な振りで気に入っていますね。

次ページ:心の内に秘めた葛藤を描いた「四角運命」

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