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INTERVIEW

2022.04.06

【インタビュー】みんなを引っ張っていけるような存在になれたら――。Run Girls, Run!ミニアルバム『Get set, Go!』リリースインタビュー

林鼓子・森嶋優花・厚木那奈美による声優ユニット・Run Girls, Run!。約1年ぶりのリリースとなるミニアルバム『Get set, Go!』は、Elements Gardenと初タッグを組んで生み出した力強いロックナンバーであるリード曲「RADIANT」や、各メンバーのソロ曲を含む収録の6曲すべてが新曲の意欲作。そんな本作について語るなかで3人が揃って口にしたのは、“ランナー”(=ファンの総称)を引っ張っていきたいという想いだった。

想いを伝え合い、“見えた”未来へまっしぐら!

――リリースとしては約1年ぶりとなりますが、その間のグループとしての活動について、皆さんはどのように感じられていますか?

鼓子この1年はまず、2020年と比べてライブなどを通じて、ランナーさんとお会いできる機会が増えたことがすごく嬉しかったです。それに、4周年ライブや写真集の準備なども通じて、3人のチーム感がより強まったように感じるんですよね。結成5周年に向けてどういう方向性でRun Girls, Run!を進めていきたいのかとか、自分たちの作りたいライブについての話も、今まで以上に自然と出るようになって。ライブの準備中にもお互いに「ここ、もうちょっとこういう歌い方したほうがいいよね?」みたいに言い合える関係になり、さらに新しく踏み出せた1年でした。

森嶋優花コロナ禍でみんなに会えないもどかしさを感じてからの徐々にみんなに会えるようになってきた1年だったので、終息後も含めてライブについてのイメージも想像しやすかったんですよ。だから、もちろん元々毎回みんなに会える機会は貴重なものだと考えていたつもりではありましたけど、よりそのありがたさに気づかせていただけたように思っています。

厚木那奈美しかもその気持ちを、最近開催できたバレンタインやホワイトデーのイベントなどを通じて、ランナーさんとその気持ちをしっかり共有できたようにも感じたんですよ。そんななか、ずっと主題歌をうたわせていただいてきた『キラッとプリ☆チャン』も一旦区切りがついたのもあって、改めてミニアルバムという形で「ランガの色を出す!」というタイミングをいただけて。おかげで最近は、本当にユニットの方向性というものをすごく明確にできたように感じています。

――それがまずひとつ、去年の4周年ライブで形にできたような実感もあるのでしょうか。

森嶋あ、そうかもしれないです!

4周年ライブの日、ライブ後スタッフさんとお話しするなかで「これからのランガが見える感じがした」と言っていただけたし、自分たち的にも納得のいく手応えのあるものだったんですよ。そういう意味で4周年のライブは、久々の有観客というのもあって、道を切り開いて確実に一歩前進できたような感覚がありました。

――そんなお話を経ての本作ということは、皆さんの意向もかなり取り入れられたものに?

そうですね。特にソロ曲には、それが顕著に出ているような……。

森嶋ソロ曲についての要望も、今までは例えば「元気!」のように言葉でお伝えしていたところを、今回は具体的に「こういう曲が好きです」と参考曲を送ったりもしまして。よりイメージを共有することで、理想の曲を作れたんです。

3人曲でも、歌詞について相談していただけたり、今まで以上にみんなで練りながら作れた感覚があるんですよ。

厚木レコーディング中に「やっぱこういう方向性で録っておこうか」みたいなことも多かったよね。現場に行ったらキーが1個上がってたみたいなこともあったり……(笑)。

そう(笑)。だいたいレコーディング順は私がいちばん最初で、1回歌ってみたら「ちょっとこれ、キー上げたほうがよくないですかね?」という話になって、30分ぐらい相談した結果上がる……みたいなことがありました。

厚木それを現場で初めて知って、「……おっ?」ってびっくりするんです(笑)。

3曲目の「Believer Switch」がそうだったね(笑)。でもこの曲は『Get set, Go!』の中では唯一明るくてかわいい、今までのランガらしい曲だから、そう考えるとたしかに高いほうがいいなぁ……となって。サビは結構高くなっちゃったんですけど、それがいい感じにキラッと感を生んでるんです。

厚木キーを1個上げただけなのに、仮歌の雰囲気よりもさらにプリプリ感が増していて、「これは大正解だな!」と思ったんです。そういうふうに、今回は現場でどんどん変わっていくことが多かったところも、とても面白かったですね。

森嶋私も、曲を覚えるときにいただいた仮歌からまたさらに変えて歌ってみた……っていうことは結構あった気がする。

今までよりも「もう1回やってみようか」みたいなことも多かったよね。スタッフさんとお互いのイメージを正直に言い合って、録り直す部分もあったり……今回、そういう話し合いはすごくしたなと思ってます。

――そういう部分は、お芝居を作るのと少し似ている部分もあるかも?

森嶋たしかに。表現への意識が、今回はより取り入れられたなと思います。

――さて、ここからは楽曲自体のお話をお聞かせください。まずリード曲「RADIANT」はかっこよさに思い切り振った、原点回帰をイメージさせる激しいロックです。

まず、Elements Gardenさんに楽曲をいただけたことが夢みたいで!私は水樹奈々さんのライブを観て憧れてこの世界に入ってきたので、初めて聴いたときに感動しちゃいましたし、大サビ前のセリフパートでは「こういうの、やりたかったんだよなぁ!」って思いました。だけど逆に、この曲をランガとして3人で歌うという想像が、最初はあまりつかなくて。ランガは歌声のタイプがそれぞれ違うので、ロック曲で重なったときにどういうハーモニーになるのかはすごくワクワクしていました。

――実際完成形を聴かれたときは、どう感じましたか?

「やっぱりランガって、3人揃うとまた違った輝きが生まれるんだな」と思いました!こういう歌を3人で歌えるということは、自分たちとしても新たな発見になったようにも感じています。

森嶋たしかに。実際私は、音楽プロデューサーさんからしてもガッツリかっこいい曲のイメージが湧いてなかったみたいで、だからこそ逆にちょっと期待されていたみたいなんですよ。なのでちょっとドキドキしつつのレコーディングでした。元々かっこいい曲も好きで聴いていたので、結構歌えたんじゃないかなと思うんですけど……。

厚木いや、歌えてたよ!

めっちゃよかった!Aメロの入りがちょっと艶っぽくて、「あっ……いい」って思った。

厚木私、はやまる(=林)はもちろんなんですけど、実はもっちー(=森嶋)にもかっこいい曲が得意なイメージがあって。例えば「Break the Blue!!」みたいな曲で、低音域がすごく綺麗に出ているんですよ。

森嶋きゃー!(照)

厚木それに私、レコーディング順が最後だったので、方向性を確認するために収録前にふたりの歌声を聴かせていただいたんです。そうしたら、出だしからはやまるの気合いの入り具合をめっちゃ感じて!1フレーズだけでも方向性が全部伝わってきましたし、「絶対いい曲になる!」と確信したんですよ。その感覚を持ちながら歌ったら、自然と、ライブの風景が浮かんだんですよね。なのでそのまま、目の前に今一緒に走ってくださっているランナーさんがいるのを想像しながら、「私たちの、今できる全力の走りを見て!」と伝えられるよう歌っていきました。

曲自体にだんだん暗いところから明るくなっていくような構成になっている印象があったから、そういうイメージも意識したよね。歌詞に「カーテン」という言葉も出てくるので、きっと光が遮られていて、それをみんなで少しずつ開けていくんだろうなぁ……って。あと今回は、珍しくレコーディングよりも振り入れが先で。

森嶋なかなかないよね?

うん。でもおかげで「振り付けがこういう感じなら、歌い方はきっとこうなるな」という想像もしやすくて、歌いやすかったです。

厚木そうか、私が歌ってるときライブの風景がすごく浮かんだのは、振り付けが入ってたからなのかも!いま納得した……。

森嶋あと、この曲は楽器を生楽器を中心としたレコーディングで録っていただいていまして、それをギリギリまで調整してくださったんです。できあがりを聴いたら、細部までこだわられているのをすごく感じたので、その迫力がライブになったときにも出るんじゃないかなと思っています。

――逆にレコーディングでは、そういったオケに乗ったときも迫力を感じるように意識されたのでしょうか?

森嶋そうですね。やっぱりこのミニアルバムをきっかけに今まで以上にガツンとランナーのみんなを引っ張っていきたいという想いもあったので、それはあったかもしれません。

――ちなみに歌詞には「Get set, Go!」というフレーズが出てきますが、アルバムタイトルはここから?

はい。今回はタイトル案についてもメンバーに聞いてもらえたので、みんなでいくつか出した中のひとつで、もっちーが提案してくれた案だったんだよね。

森嶋そう。提案は私でした……恥ずかしいですね、なんか(照)。

私たちが自己紹介するときに言う「よーいどん!」という意味の言葉なので、そのワードが出たときにはもう満場一致でした。

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