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INTERVIEW

2022.03.08

【インタビュー】映画『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』では母親役に挑戦!ヒャダインが提供した本作の主題歌「君のまんまが いいんだよ」について、中川翔子が語りつくす!

【インタビュー】映画『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』では母親役に挑戦!ヒャダインが提供した本作の主題歌「君のまんまが いいんだよ」について、中川翔子が語りつくす!

ゲームのおねえさんであり歌のおねえさんであり、ユーチューバーとしてすっかり子供たちの憧れ的存在となっている中川翔子が、今度は「母」に挑戦。映画『しまじろう しまじろうとキラキラおうこくのおうじさま』で主題歌と、ゲストキャラクターであるパール王子の母親エメラルダ女王を担当した。21thシングル『君のまんまが いいんだよ』を基軸に表現した母性について、さらに多方面にわたる活躍を見せていく「生きざま」について、しょこたんがマシンガントーク!

周りの人も自分もいろいろな語彙力で褒めていこうと決意

――今回の「君のまんまが いいんだよ」は、仲の良い前山田健一(ヒャダイン)さんが作詞・作曲・編曲を手がけていますね。

中川翔子 ヒャダインさんから歌詞が送られてきたとき、「うわー、ヒャダ(イン)さん、わかってらっしゃる! エスパーだ!」って思いました。母性がテーマの楽曲なんですけど、大人から子供へのメッセージでもあり、悩みを抱える今の大人たちに刺さるメッセージにもなっているんですよね。自己肯定感が上がる魔法の曲だと思います。もらったのがちょうど自己肯定感の低さに悩んでいる時期で。でも、誰にも言っていなかったし、ヒャダインさんともゲームの話や世間話しかしていなかったのに、「なんで今、欲しているエッセンスが?」って思いました。いっつもお見通しなんですよね。だから、迷わず歌おうと思いました。やっぱり言葉にして褒めることってすごく大事で、「親から子へ」もそうですけど、「自分で自分を」もそうなんですよね。自分が褒めないと大人はなかなか褒められることがないので。

――自己肯定感に悩むきっかけは何だったんですか?

中川 レコーディングが2020年のことなのであまり覚えていないんですよね。でも私は基本的に悩んでます。どんなときも。でも、悩んでいると意外な角度から助けが入るんですよ。例えば、コロナ禍に入ってお仕事が全部なくなっちゃったとき、みんなもそうなんだとは知らないから「ついに終わったっ!」って落ち込んだんですけど、YouTubeを始めたらすごく楽しくなって、三日で立ち直ったんですね。特に、この2年間って人生損してる感があるじゃないですか?

――コロナ禍でできないことも多かったですからね。

中川 でも、気が付けば今年で芸能活動20周年で、この20年の中でも忙しくさせてもらっているんですよ。さらに、こんな素晴らしい映画で歌を歌えるなんて「ありがたや」って思います。だから毎日のことで元気になります。

――「君のまんまが いいんだよ」のどんなところで自己肯定感を高めてもらいましたか?

中川 全体がそうなんですけど、「命がきらめく それだけで大丈夫」「君の光は輝いている」、これに尽きます。子供って、認めてあげると、褒めてあげると1日で、一瞬で進化しますよね? 自分自身にもそういう瞬間がありましたけど、以前、番組(『【学生時代は孤独…中川翔子が美術高校で再青春!】』)で(私立京都工芸)高校に三日間くらい行ったことがあるんですよ。私は学生時代が黒歴史だったからすごく不安だったんですけど、みんなが自然に受け入れてくれて。その中に1人、めちゃくちゃ絵が上手くて、いつも友達のことを心配してあげている男の子がいたんですよ。優しい子だなって思っていたら、その子だけが油絵の時間なのに鉛筆でデッサンしていたんですね。なぜなのかと思っていたら、中学でいじめられて、お前の絵なんてキモいと言われて絵を破られて、それがトラウマで絵が描けなくなってしまったらしいんです。私から聞き出したわけじゃなくて、その子が自分から話してくれたんですけど、私はそのとき何も言えなくて、聞くことしかできなくて。だから、褒めることだけはしようと思って、「こんな線が引けるんだね。私には引けないよ」とか言ってたんです。それでも、何もしてあげられない自分に落ち込んでいたんですけど、その翌日、その子が油絵を描いたんですよ。しかもお別れの日には、美大に進学することを決めたと言ってくれて。

――中川さんと話したことが吹っ切れるきっかけになったんでしょうか?

中川 ホント、思春期ってすごいなって思いました。1日で想像もつかないような進化を遂げるので。今回の映画『しまじろうとキラキラおうこくのおうじさま』でもパール王子は最初、自分に自信をなくしているんですけれども、しまじろうがそこで見守ってあげようって言うんですよ。そんなことが言える5歳がすごい!でも、王子はしまじろうたちの言葉や、一緒に行動することで強くなれるんですね。パール王子も活躍を自分の手柄にするんじゃなくて、みみりんやとりっぴい、にゃっきいに対して頑張ったことを認めてあげられる、そんな優しいところがあるんですよ。とにかく褒めることがいかに大切か、それが伝わってきます。私が絵を描き続けたのも、色々な大人たちに褒められたからだし。この間、楳図かずおさんのインタビューを読んでいたら、一時期漫画を描かなかったのは誰にも褒められなかったからと仰っていて、「えーっ!?」ってなりました。私だったら一生、365度の角度から褒め続けられるし、そう思う人もたくさんいると思いますけど、でも、そばで接する担当さんにとっては当たり前になっちゃうんですよね。「大人は仕事するのが当たり前でしょ」になっちゃう。楳図かずおさんは海外で賞をとったことでまたモチベーションが上がったらしいんですけど、今回この映画を見て、あらためて周りの人のいいところを探して、色々な語彙力で褒めていこう、と決意しました。と同時に、「自分のことも褒めてあげなきゃ」って思いました。

――それは自分で自己肯定感を上げる良い方法ですね。

中川 自分を振り返ったとき、いつ(芸能活動を)辞めてもおかしくなかった瞬間ってめちゃくちゃあるんですけど、歌詞にある“鏡に映る姿に ちょっと笑いかける それだけで 世界は変わる”ですよね。「ホント、それな」ってなります。自己肯定感を忘れちゃいけないんですよ。映画を見て、思いましたね。あと、フォルムチェンジしたあとの声もやっているんですけど、すごく楽しかったです。

――演じたエメラルダ女王は初めての母親役ですね。

中川 エメラルダ女王って忙しく働いているシングルマザーで。パール王子と会話する余裕もなかなかないし、でも育てていくためには働かないといけない。しまじろうのお母さんだって、しまじろうをないがしろにしていたところがあるけど、そこに気づかないくらい頑張ってて。その気持ちもわかるんですよね。子供にとっては毎日が長い冒険だけど、大人からすると1週間なんてあっという間に過ぎちゃうから。

――母親の成長も描かれていますね。

中川 言いすぎちゃいけないとか我慢して見守るといった引き算とか、もっと褒めるとか気づいてあげるとかの足し算とか。この映画を観たあとは、押し付けではない何かを見つけてキラキラと変われるんじゃないかと思います。色々な成長が詰まっているので本当に涙腺崩壊でしたね。観たあとは速攻でヒャダインさんに、「500%泣くから早く見て」ってメッセージを送りました。子供たちのファーストシネマにぴったりだと思います。休憩時間もあるし、指さしたり踊ったり一緒に参加できるし。ライトな展開かと思ったら後半に怒濤のスペクタクルが待っているし。その、パール王子が勇気を出して頑張る瞬間に「君のまんまが いいんだよ」が流れて、すごく嬉しかったです。曲を聴いた子供たちが大きくなったとき、「この曲ってこういう意味だったのか」って思ってもらえたら嬉しいですね。私も、初めて買ってもらったのが劇場版『セーラームーンR』のCDで、あとから「これは深いな」と思ったので。子供たちの思い出になるような歌を歌えるって一番幸せだと思っていたんですけど、今回は映画という最高の形で叶って、ありがたさの極みですね。

次ページ:子供たちから見て「楽しそう」に思える背中を目指して

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