【スペシャルインタビュー】黒須克彦に聞く、「Smile Group presents アニメ音楽のこと!マッチング・オーディション 2021 supported by リスアニ!」について

デモをより伝えやすくするためには?

――音楽的な技術がありつつ、そうしたオーダーに対応できる力もあったほうがいいわけですね。黒須さんから見て、現在求められている人材はどんなタイプだと思いますか?

黒須 今活躍している若い世代のクリエイターにとって、音楽のクリエイト環境は僕らの世代よりも整っていると思いますし、すごく器用にクオリティの高いものが作れると思うんですよね。実際僕もそういう若いクリエイターにお願いする機会も多いのですが、そういう器用なクリエイターって30歳前後にたくさんいらっしゃるんですよ。なので今、“なんでもできる”というのはそんなに強みにはならない気がしていて。

――なるほど。

黒須 今はなんでもできるというよりは、「この人はこういう感じだよね」という特化したものがあったうえ制作をできるのがベストだと思います。例えばヘビーロックが得意、ジャズがすごく得意とか、そういうものがあれば。

――1つ何か光るものを持っているべきだと。また作曲についてですが、メロディはじっくり考えて作るものですか?

黒須 メロディ作りに関しては頭を悩ますことはしていない気がしますね。感覚的に出てくるものを優先するというか。曲を作るときは大体メロディが出来てそこからデモアレンジなど肉づけしていくことが多いです。あと、デモは仮歌さんに最終的に歌っていただくことが多いのですが、その前に仮仮歌のボーカルを自分で録るんですよ。そこで自分で歌うときに、歌いやすいラインに修正したりすることがあります。最初にメロディを作る段階であまり思い悩むことはないですが、デモアレンジや仮歌を入れる段階で微調整することはあって、場合によっては大きな修正もしますね。最初に出来たメロディと、最終形のメロディが大きく変わることは多いです。

――直感的に出たメロディを、耳馴染みや歌いやすさというものも考えながら完成形に近づけていくと。そのほかにデモ提出で意識することはありますか?

黒須 許される環境であれば、できるだけ歌と仮の歌詞はついていたほうがよいのではと思いますね。あえて「シンセメロでください」「ラララでください」というオーダーもあるのですが、制限がない場合は人の声で歌われていることと、そのメロディにハマったワードがしっかり乗っているとインパクトが変わると思うんですよね。リフレインされる言葉だったり、作っている段階でこのフレーズにはこのワードだろうということがあった場合、それがラララになると流れてしまうので、そこに印象的な言葉がハマっていくことで聴く側の印象はだいぶ変わってくるような気がします。

――仮歌詞を入れて歌うことでよりイメージが伝わりやすくなるわけですね。

黒須 全部じゃなくてもいいですが、サビの最初のワンセンテンスは決まった言葉があってもいいですよね。例えばそれが曲タイトルになっていって、それが連呼されるんだと印象づけられることがありますしね。

――それこそ黒須さんが作詞まで手がけた「夢をかなえてドラえもん」も、仮歌詞を入れたデモが歌詞ごと採用されたケースでしたよね。あのサビの「シャララララ」というフレーズもデモの段階からあったわけですか?

黒須 そうですね。そこの部分に関しては、作ったときからあのワードが乗っていて、あれが普通の文章だとインパクトが違ったと思うんですよね。それが後々になって「シャララララっていう曲だね」って言われるのはそういうことなのかなって。

――曲の魅力をより伝えるために仮歌詞を入れるというのは大きなヒントですね。

黒須 あとコンペも今回のオーディションもそうですが、聴く側はすごい曲数を聴かれることが多いじゃないですか。提出した曲が良いことは一番ですが、数を聴くなかでどれだけ印象づけられるのかというのが重要になってくるのかなと。奇を衒う必要はないと思いますが、「どう印象づけられるか
というインパクトの与え方という部分でぱっと僕が思いつくことでいえば、歌と仮歌詞なのかなと思います。

次のステップに進んだシーンで暴れ回れる才能を

――今回は募集形態の中に“バンド”というものがありますが、バンドサウンドでの音源というものも1つの魅力になりますよね。

黒須 それは大いにありますね。僕はバンドや生音が好きなので、実際に楽曲提供するアーティストさんでライブをやられている方であれば、この曲がライブで歌っている景色や音をイメージすることはありますね。

――バンドで鳴らすライブというものを、制作からイメージさせる楽曲を作ると。

黒須 シンガーさんであれば、景色的にライブハウスや大きなホール、スタジアムで歌われている場面を想像することもあります。あと、生で歌う何曲かの内の1曲なので、あまりハイカロリーで歌っていてしんどくないものというのも考えたりしますね。やっぱり制作のなかで、その先にあるライブというものは切り離さず考えています。

――バンドサウンドというものがライブの醍醐味の1つでもありますからね。

黒須 生音で鳴らしていることのアドバンテージってものすごくあると思うんですよ。バンドの熱量だったり空気感であったり、例えば4ピースで全員が自分で演奏していくことで温度は上がっているはずなので、技術はある程度必要ではあるものの生で出している空気感がすでにプラスになっていると思いますし、応募する人はそこを大事にしてほしいですね。

――そうしたバンドで活躍するのはもちろん、そこから黒須さんのようにアーティストのサポートで活躍される可能性もありますしね。

黒須 それこそバンドをやりながらサポート活動をされている方もいますしね。ヒトリエさんやPENGUIN RESEARCHさんもそうですが、世代的には30代前後のバンドマンたちが自分たちの音楽も出していて、その傍らでサポート業もフットワーク軽くされているのは素晴らしいなと思いますね。

――そうした例も含めて、業界としてもアーティストとしてもバンドマンの音を求めているということはありますよね。

黒須 そこは決して技術だけではなくて、バンドマン的な音色だったり空気感だったり、アティテュードだったりというのがあると思います。

――バンドマンらしく華のあるプレイヤーも求む、ですね。

黒須 楽しみにしています。

――そのほかにもシンガーの募集なども行っていますが、クリエイターとして黒須さんはどんな歌を聴いてみたいですか?

黒須 それもやっぱり、ライブでかっこ良く歌っている姿が音源から想像できるような人、ですかね。ここも技術ではなくて、リズムが悪かろうがピッチを多少外していようが、それが勢いになっていればきっとかっこいいなと思えるので。

――技術的なものはそのあとの要素でもある?

黒須 そうですね。技術的な部分って長く続けていれば嫌でも洗練されていくので。

――では最後に、黒須さんからアニソンシーンの未来を担う、オーディション参加者の皆さんにメッセージをお願いします。

黒須 ここ1~2年はエンタメ業界が大変な時期でしたが、これからまた1つ次のステップに向かっているような気がしています。そんな過渡期のなかで、今後世の中の情勢的に落ち着いていくとして、音楽がエンタメが息を吹き返したときにはその姿が少し変わっているんだと思います。こういった時期に応募してくれるのはありがたいですし、この業界が次のステップに行ったときに暴れ回るようなアーティストさんやクリエイターさんが出てきてくれたらいいなと思いますね。皆さんにとってすごく良いタイミングだと思いますので、楽しみにしています。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

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●オーディション情報
「アニメ音楽のこと!マッチング・オーディション2021」

<応募資格>
・応募部門自由(ソロシンガー、ユニット、バンド、作詞、作曲、編曲、その他)
・年齢、性別、国籍:不問

<審査員>
渡辺 翔 / 作詞・作曲・プロデュース
黒須克彦 / 作曲・編曲・作詞・ベース・プロデュース
渡辺拓也 / 作曲・編曲・作詞・ギター・プロデュース
PA-NON / 作詞・プロデュース
sana(sajou no hana)/ ヴォーカリスト
甲 克裕 / 音楽ディレクター

<応募方法>
応募フォームよりエントリーをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScGSGRRlK5smi7d9dYN3eE-Nmwmp4ETdwazQeromfgI74pqUA/viewform

<募集期間>
2021年11月17日(水)~2022年1月31日(月)23:59

<応募上の注意>
・審査結果は通過者のみにご連絡させていただきます。
・審査状況や選考結果に関するお問い合わせには一切応じておりません。
・オーディション参加費、選考費、またその後にかかる費用は一切ありません。(ただし、審査会場までの交通費は各自ご負担ください)
・未成年の場合は保護者の承諾が必要です。
・お送りいただいた応募資料は選考以外の目的で使用することはありません。

関連リンク

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黒須克彦 公式Twitter
https://twitter.com/krossy

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