INTERVIEW
2021.12.29
山手線の各駅を舞台に30人の駅員キャラクターが業務時間を終えるとアイドル活動をしている、というコンセプトのアイドルプロジェクト「STATION IDOL LATCH!」。2021年8月18日の1st CDのリリース以来、続々とCDのリリースを重ねている「STATION IDOL LATCH!」から、4th CDが12月8日にリリースとなった。
渋谷、原宿、代々木、神田、秋葉原、上野、鶯谷の7駅の駅員たちが歌うアイドルソングを収録したこの「STATION IDOL LATCH! 04」から、今回は上野駅・飴屋 楊を演じる笠間 淳と鶯谷駅・根岸優歌を演じる寺島惇太に、「LATCH!」の魅力や今後の展望を聞いた。
――まずは「LATCH!」の企画を聞いたときの感想を教えてください。
笠間 淳 色々なところでいわゆるアイドルが活躍するコンテンツはあるけれど、JR東日本さんが監修協力に入って、駅ごとに勤務している駅員キャラクターが業務時間を終えるとアイドルとして活動するなんて!それはJR東日本さんの協力なくしてはできないものだから「すごいな」というのが正直な感想でした。たしかに山手線って、どの駅にも各々に個性があると思うのですが、その個性を反映したキャラクターが登場するというのは、それぞれの駅と地域に根ざして活動できるんじゃないかな、と楽しみに思っていますね。
寺島惇太 山手線という、実際のJR東日本さんの路線の駅員をモチーフにしたアイドル、と聞いて「大きな山が動いた」という感覚がありましたね。これはすごいことが始まるのかなと感じて。ぜひ参加させていただきたいなと思いました。
――本作はオーディションだったのでしょうか。
笠間 はい、オーディションでした。
――駅は決め打ちでお声が掛かったのですか?
笠間 僕は選んだ気がしますね。
寺島 自分ができそうなキャラクターをいくつか選んでサンプルを録りました。
笠間 僕も同じです。
――オーディションの思い出を教えてください。その際に、それぞれの駅の雰囲気などは意識されていたのでしょうか。
笠間 それぞれのキャラクターに資料があり、基本的にはその設定に応じて演じたので、駅の特色を出すことまでは考えてはいなくて。それでも担当させていただける、という連絡をいただいてから、キャラクターと向き合ってボイスや歌を収録していったのですが、演じながら「やっぱり上野なんだな」と思うことはありました。
寺島 実はいくつか録ったなかでも、根岸くんだけがキャラクター性をよく掴めないまま録ったものだったんです(笑)。
笠間 あははは(笑)。
寺島 割と正統派とかイケメンとか快活とか、それらしく録っていたのですが、変化球枠として「こんな感じはどうですか?」と録ったもので受かったんです。
笠間 そういえば僕も飴屋くんで印象深いことがあった。「元ヤンを匂わせる」というオーダーがあったんだけど、「ここまでやって大丈夫かなぁ」というくらいに振り切った表現をしたら、飴屋くんで受かりました(笑)。
――担当される駅についての印象はキャラクターを演じながら変化してきましたか?
笠間 プロジェクトの根幹にある狙いなのかなと思うのですが、キャラを通して街を楽しめる、という部分があると思うので、飴屋くんを知れば知るほど上野という街に興味が出てくるし、通いたいなと思うようになりました。本物の上野という街に今後触れていくなかで、飴屋 楊という役に深みが出たり、立体的になったりしていくんだろうなと思います。上野には東京藝大や美術館もあり、飴屋くんは芸術家肌でもありますしね。でも駅のイメージからも、飴屋くんも根岸くんもアングラなイメージはあります。上野は表側としては観光地色が強いですが、年末によくテレビで観るアメ横の活気もありますし、でも掘っていけばいくほどマニアックなお店などもあって。一面からだけでは捉えられない感が確実に鶯谷にも上野にもあると思うんですね。その個性が2人のキャラクター性にも出ていると思います。一見ためらってしまうものとか、人間は好きですよね。そういう意味でもこの2人には人気が出てほしいなと思っています。
――たしかにその駅や街に行き、知ることで、より興味を深めることができそうですね。
笠間 そうですね。それに、面白い形での聖地巡礼ができるコンテンツだなと思います。実は僕、仕事以外で上野に降りたことがないんですよ。
寺島 僕は山手線の駅は一通り降りたことがあります。
笠間 え!?それすごいね。
寺島 降りたことがない駅はないですね。駅に行っただけで周囲を歩き回ったことはないにせよ、どの駅も降りたことはあります。その駅までタクシーで行って、そこから電車に乗って移動するとか。高輪ゲートウェイ駅も先日降りましたし、大塚にもお祭りを見に行ったことありますし。巣鴨や駒込、田端についても友達が住んでいたことがあり、足を延ばして行ったことがあるので、マイナーだと言われる駅にも出掛けています。鶯谷については、味があるんですよね。やっぱり一面だけでは語れないというか。そこは根岸くんにも反映されているように思います。気弱なようで、言いたいことはしっかり言うような強さもあって(笑)。割と毒も吐きますし。
笠間 何物にも染められない、ある意味、自分だけの美意識を持っている根岸くんだからこそ、飴屋くんはそんな根岸くんのことが気になってしょうがないんだと思うんだよね。毒を吐くのも何者にも毒されていないから吐ける。思ったことを言えない常識や日常に染まっていない。もし常識などに染まっていたら飴屋くんにとって根岸くんは芸術的には見えないんだろうなぁ、という気はします。
寺島 2人の関係性からも駅の個性が見えてきますね。
――そんなお2人が「LATCH!」のほかの駅のキャストをご覧になると、どんな印象があるのでしょうか。この駅を担当するこの人は意外とか、ぴったりだ!というような感想はありますか?
笠間 新橋の烏鷹 鉄路役を井上 和彦さんがやられていることなどもそうですが、駅の特色やキャラクター同士の年齢差による関係性もすごく面白く出ていると思うので、そういう意味でも30駅30キャスト全員が揃う3月の1st LIVEはすごい気がします(笑)。
寺島 恵比寿が英さん(高橋 英則)なんですよね。
笠間 そうね(笑)。
寺島 (キャスト一覧表を見ながら)田町(小山 剛志)……!
笠間 上野駅の隣の御徒町の高良摩利央(阿座上 洋平)は飴屋くんのことを尊敬していますよね。そういう関係性もやっぱり面白いですよね。
寺島 そういえば巣鴨の高岩 大智は井上 雄貴くんが演じていますが、実は僕も巣鴨駅、受けたんです。「みんなの孫」みたいなことが書いてあったので、僕なりに頑張って孫感が出るようにかわいいお芝居をしたのですが、井上くんの孫感に勝てるわけがなかったな、と(笑)。決まったのを見たときには「うわぁぁぁ!納得だ!」と思いました。それは勝てない。なんだったらすでに高岩くんが井上くんに似てますから。眼鏡をかけたらそのものじゃないですか。それぞれ良いキャスティングですよね。
――声の感じを想像するだけでも駅の雰囲気が見えてきますよね。
笠間 うんうん。たしかに。
寺島 森嶋さん(森嶋秀太)の高輪ゲートウェイ駅っていうのも面白いですけど、高輪ゲートウェイ駅って一番難しいですよね?
笠間 今のところ特徴とかよくわからないもんね。
寺島 まだ開発途中ですし。予定ではあと3年くらい経たないと、どういう駅なのかもわからない。色も出てこないと思うんです。駅前なんてほぼ工事中ですから。だから森嶋さんが、PRとかインタビューとか一番困るだろうなって思います。
笠間 どんな駅ですか?「新しい……」くらいしか言えない(笑)。
SHARE