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2021.08.23

【ライブレポート】茅原実里、13年目の夏の野外ライブは、胸いっぱいの愛と感謝を込めて――。”SUMMER CHAMPION 2021~Minori Chihara Final Summer Live~”レポート

【ライブレポート】茅原実里、13年目の夏の野外ライブは、胸いっぱいの愛と感謝を込めて――。”SUMMER CHAMPION 2021~Minori Chihara Final Summer Live~”レポート

ピースフルな雰囲気のまま茅原が一旦退場したあとは、CMBによる恒例のジャムセッション「Theme of CMB」へ。プログレッシブなインストゥルメンタルに、ガンタが叩くポリリズムに観客が手拍子で合わせる最近恒例のコーナーなどで楽しませたあとは、青いドレスをまとった茅原が登場してセットが再開。2013年発売のアルバム『NEO FANTASIA』から、雄大なサウンドが印象的なタイトルトラック「NEO FANTASIA」が鳴らされる。直後のMCでは「誕生したときから自分自身を鼓舞してくれる曲」と告げたあとには「Hopeful “SOUL”」を披露。パワフルなビートに乗せてコブシの効いた茅原の歌唱が響き渡り、ここからセットもアグレッシブなゾーンへと突き進んでいく。

2011年リリースの人気曲「TERMINATED」を皮切りに、ドレスの裾をパージして軽やかな格好になってからの「赤い棘のギルティ」では、スタンドマイクを前に挑発的な振付を見せる。そこから「夢幻SPIRAL」でよりサウンドを激化させたあとは、2008年にリリースされた自身初のアニメOP曲である、アンセム「Paradise lost」へ。ステージ前方で炎の柱が立ち昇るなか、この曲専用の短いスタンドマイクを振りかざして客席をさらに煽っていく。天に向かって昇る炎のように、会場のボルテージも頂点に達しそうな雰囲気のなか、「まだまだ祭りは終わりませんよー!」と茅原が叫び、そのテンションのまま“SUMMER CHAMPION”のテーマソング「美歌爛漫ノ宴ニテ」へ。法被姿で扇子を手にして観客と心の中でのコール&レスポンスを楽しむ。最後は片膝をついて「富士山!」とポーズを決めて、あまりにも熱い本編クライマックスを駆け抜けた。そして本編ラストはデビュー15周年を記念して作られた「We are stars!」へ。高速なビートに乗せてトースティングのように言葉たちが茅原から矢継ぎ早に放たれ、最後までアグレッシブなスタイルで突き抜ける。そのテンションがピークに達したエンディングで「ということで続きはこの先で……またね!」と叫び、どこまでも熱い本編を終えた。

観客の熱烈な手拍子に導かれてスタートしたアンコールは、2009年に発表された人気の夏曲「Sunshine flower」からスタート。この曲でゲストに登場したマスコットのサマ鳥とともに、ひまわりを手にした茅原がバンドと共に終始楽しそうなプレイを見せる。そして観客も手作りのひまわり(ペーパーフラワー)を手にして盛り上げる。ちなみにこの手作りのひまわりは、初日では茅原にサプライズで披露された。間もなく終わりを迎えてしまう夏のライブ、それでも日が暮れたステラシアターには眩いばかりの花が咲いていた。そんな光景を前に「……どこまでも幸せだな、私は」と呟く茅原。そんな穏やかな雰囲気のなかでのMCで彼女は、改めて「年内を持って音楽活動を休止します」と告げた。そしてファンへの感謝を改めて述べたあと、「私からみんなに送りたいものがあります」と、自身の誕生日である11月18日にミニアルバム『Re:Contact』をリリースすることを発表した。活動休止前最後の音源となるこの作品は、私の今までとこれからがいっぱい詰まった作品」とのことで、すでに制作がスタートしているそうだ。そして12月26日には神奈川県民ホールにて活動休止前最後のライブ“MinoriChihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~”を開催することを発表。その後、「みんなとの本当に楽しかったたくさんの日々に感謝しながらこの曲を歌いたいと思います」と、「Contact 13th」を笑顔で歌ったあとは、彼女のライブでは欠かすことのできない大アンセム「Freedom Dreamer」で最初のアンコールを締め括った。

ダブルアンコール恒例である浴衣姿の茅原がステージ上に姿を見せると、いよいよ本当に13年間続いたこのライブの最後が近づいていることを感じさせる。茅原自身もそれを感じ取っているのだろう、一言一言を噛み締めるように観客へ、スタッフへ、河口湖の人たちへの感謝を述べた。2009年からスタートして、13年間駆け抜けたあとに彼女からこぼれたピュアな気持ちは、この会場に集まった人々、そして配信で参加している人々にたしかに伝わったはずだ。そんななか夏の野外ライブ、最後の曲に選ばれたのは、2011年の夏にリリースされた「purest note ~あたたかい音」だ。ゆったりとしたリズムに乗せて優しく笑顔で歌われるこの曲、最後は“la la la…”と観客も心の中でシンガロングしながら笑顔のまま締め括られた。鳴り止まない拍手に思わず涙を見せながら、茅原は「終わっちゃったね」と静かにこぼしたのが印象的だった。記念撮影のあとにはこれも夏の恒例となった打ち上げ花火をみんなで鑑賞した茅原は、夜空に向かって「今年もありがとうございましたー!13年間ありがとうございましたー!」と叫んだ。そして、すべてのセットが終わったステージ上で、「13年間、この場所に、私に会いに来てくれて、本当にありがとうございました!」と感謝を述べたあとは、いつもと同じようにオフマイクで「みんな!大好き!」と叫んでステージを去った。

13年間、夏を照らし続けてきた茅原実里の野外ライブはこの日、一旦のピリオドが打たれた。しかし最後に胸に残ったのは、この2日間で歌われた曲たちのほとんどに、彼女からの愛、そして未来が込められていたということである。茅原実里の音楽は2021年をもって活動を休止することになる。しかしそのあとに訪れる未来にも、彼女が歌ってきた愛は残り続け、聴く者たちの背中を押し続ける。茅原実里の音楽は、これからも鳴り止むことはないのだ。

TEXT BY 澄川龍一


●リリース情報
ミニアルバム
『Re:Contact』
11月18日発売

【豪華盤(CD+BD)】
品番:LACA-35195
価格:¥6,380(税込)

【通常盤(CDのみ)】
品番:LACA-15195
価格:¥2,530(税込)

■CD購入特典
・A-on STORE/A!SMART:2L判ブロマイド
・アニメイト:【豪華盤】A3クリアポスター+56mm缶バッジ、【通常盤】56mm缶バッジ
・Amazon:L判ブロマイド
・ゲーマーズ:L判ブロマイド
・ソフマップ・アニメガ:【豪華盤】B2タペストリー、【通常盤】2L判ブロマイド
・タワーレコード:L判ブロマイド
・TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/TSUTAYAオンラインショッピング:L判ブロマイド
・とらのあな:L判ブロマイド
・楽天ブックス:アクリルキーホルダー
※店舗オリジナル特典は店舗ごとに全て異なるアーティスト写真を使用した特典となります
※一部実施のない店舗もございます
※特典有無についての詳細は各店舗様へご確認をお願いいたします
※特典はなくなり次第終了となります。予めご了承ください

関連リンク

茅原実里 オフィシャルサイト
https://www.minorichihara.com/

茅原実里 公式Twitter
https://twitter.com/minorin_parade

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