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INTERVIEW

2021.07.14

TOY’S FACTORY内レーベルVIAより、星街すいせいとコラボした「3時12分」でメジャーデビュー!TAKU INOUEインタビュー

TOY’S FACTORY内レーベルVIAより、星街すいせいとコラボした「3時12分」でメジャーデビュー!TAKU INOUEインタビュー

――そしてもうひとつ、この楽曲におけるリリックについてお伺いします。いわゆるTAKUさんのルーツ、あるいは主戦場であるクラブについて書こうというのは最初からあった?

TAKU やっぱりクラブ賛歌にしようという気持ちは最初からありましたね。このメロが出来て歌詞書くかってなったときに、どうしようかなって一瞬考えましたけど。もちろん時代的なものもあって、自分が出演するイベントがなくなって、そもそも遊びに行けることもできなくなってきたときに、「クラブ行きてー」みたいな気持ちをそこに吐露した感じですね。

――表現としてはちょっとクサいんですが、この曲を聴きながら目をつぶると、クラブの光景、僕の場合は秋葉原MOGRAのフロアを思い浮かぶんですよ。

TAKU わかります。僕もMOGRAや(club)aisaを想像しながら書きましたね。クラブ行っている人には「はいはい」ってなってくれると思うし、クラブ行かない人にも感情移入してほしいなっていうのはあって。なので抽象度はちょっと高めにしているつもりなんですけど、クラブ賛歌を書こうというのは最初からありましたね。

――まさにTAKUさんがおっしゃられた、最近クラブでパーティーがなかなか開催できず、この曲で語られる深夜のパーティーなんてほとんどない状況ですよね。だからこそこのリリックのワード一つひとつが尊く感じるというか。

TAKU 今だからこそかなっていう、自分の素直な気持ちですね。

――またそのクラブ賛歌というのがまた「3時12分」という時間で語られるというのがまた大きい。

TAKU かなりデカかったですね。その時間の雰囲気をパックしたいなっていうのがまずありました。それと同時にあまり感情が乗らないというか、普遍的なタイトルにしたかったんです。別に3時12分ってなんでもない時間ですけど、聴く人にとっての3時12分ってたくさんあると思うし、ここで描かれているのはクラブでの3時12分ですけど、そういう聴く人がそれぞれ考えをめぐらせるようなタイトルにしたかった。

――誰にでも訪れる時間のなかで、最後には”世界を変えに行こうぜ”って言い切るところも素敵で。

TAKU なんか、クラブに行っているときって気が大きくなるというか、なんでもできるぜっていう気になるじゃないですか。それです、まさに。

――そうした光景を加味すると、サビ終わりのソロパートなんかも、深夜のフロアの混沌とした不安定さにも感じられますよね。

TAKU まさに、不安定さというのは意識していて。”不安定で歪なこの場所で”という歌詞が入っていますけど、そういうニュアンスは絶対に入れたいというのはありました。音選びに関してもちょっと汚れた音を綺麗に配置するという、そんなことを意識した部分はあります。

――中盤の歌詞に”3時12分”とあるあそこを軸に深夜の狂騒をしっかりパックした物語性のあるリリックですし、全体的に新しい試みもあるんですが、非常にTAKUさんらしい楽曲なんだなと思いました。

TAKU そうですね。ミドルテンポとはいえ、わりとやりたいことはやり切ったし、自分の曲ですってどんと出せるものになりました。

――まさにTAKU INOUEとは何か、というのをデビュー作で提示できた曲だと思います。

TAKU うれしいです。

――ちなみに、この曲の総時間なのですが……。

TAKU そう、3分12秒にしようと。お遊びなんですけど(笑)。実はこの曲、ロングバージョンを作っていて、3分40秒ぐらいにしていて、その部分の歌も録ったんですよ。尺を長い方にするか短い方にするか、結構ギリギリまで悩んで。そこはディレクターとも話して、繰り返し聴きたくなるのは短いバージョンなのかもなってなって。長いほうだと2番の平歌のところにもビートが入っていて、1曲での満足度もあるかもしれないと思うんですけど、もう一回聴こうとなるのはこっちなのかなって。

――それも含めて、”3:12”というワードに特別性が出てきますね。

TAKU なんかね、あったんだろうなあ。この”3時12分”って歌っているところにこのワードがビタッとはまってこのタイトルになったので、きっとなんかあったんでしょうね。これが「3時11分」とか「3時15分」だったらハマりが悪くて、そこに「3時12分」というのがピタッとはまったんですよね。

――これまで様々な世代でクラブ賛歌というものはありましたけど、令和のこの時代に鳴らされるべきクラブ賛歌が完成したと思います。

TAKU どういう反応になるのかまだ予想がつかないですけど、すいせいさんの歌がまじで素晴らしいので、これだけでも一聴の価値ありっていう気がしていますので。

――リリースタイミングではタイムラインに”#イノタクおめでとう”がまた乱舞しますね(笑)。

TAKU それであの顔のプロモーションを早くかき消したい(笑)。でもあの感じでプロモーションのあとにこの曲調が出てくるのは面白いかなって。

――本人のパーソナリティ含めて楽しむという、それがソロワークスのいいところですよね。また本作を経て今後のソロキャリアをどう考えていますか?

TAKU 次のことは全然考えていないけどもちろんやろうとは思っています。この人にはお願いしたいなっていうのはあって、そこにあたりつつというのはあるんですけど、とはいえ作家業も両立して、そっちをやりつつ、そっちでできないようなことをこっちでやって、また作家業も頑張って……という。そういういいルーティンになりそうだなっていう気がしていて、精神衛生上ふたつ柱が出来たのはいいことだなって思います。スケジュールは大変かもしれないですけど。

――そうですよ、ただでさえ楽曲オファーもたくさん来ているでしょうし。

TAKU まあまあまあ、たしかに物量は増えますけど。でもいいんですよ。曲書くのは楽しいので。

――ちなみに「3時12分」を経て、以降のソングライティングで何か変化はありましたか?

TAKU でも、そこは全然変わらないかもしれないですね。昔から曲を作ることに対しては変わらなくて、つねに「ああ……楽しい。これでお金もらえるなんて最高……!」って思ってやっていますから(笑)。アウトプット先が一個増えたっていう感じですけど、いいですね、自分的に。

――ソロワークも増えてその気持ち良さが増幅されていると(笑)

TAKU いいなあそれ、やればやるほど気持ちよくなる(笑)。

――でもキャリアが長いなかでも曲作りが楽しいという根本はずっとかわらないんですね。

TAKU そこは才能があるとしたらそこなのかもしれないですね。仕事仕事としてやったことってないし。

――とはいえますます今後の楽曲が楽しみにもなってきますね。

TAKU そうですよね。今は男性ラッパーとやってみたいのもあって、そこは何人か探しているんですけど、そこはまだどうなるかわからないですね。野望はいろいろあります。

――その前にまず「3時12分」がリリースされ、深夜のフロアでかかる光景を早く観たいですね。

TAKU いやほんとですよ。みんなで「3時12分~♪」って歌いたいって今は思っています。

――3時台のオファー舞い込みそうですね(笑)。クラブのみならず、様々な場所で聴かれることを楽しみにしています。

TAKU 出来たばっかだからまだドキドキしているんですけど、こんなに派手にやるとは思ってなかったので。スーっと静かにリリースするのかなって思っていたら、とんでもないことになってしまいました(笑)。あとには引けなくなったので、前に前に進むしかないですね。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一


●楽曲情報
「3時12分 / TAKU INOUE&星街すいせい」

7月14日配信開始

●ライブ情報
TAKU INOUE メジャーリリース記念配信DJ
7月14日(水) 21:00 START
TAKU INOUE OFFICIAL YOUTUBE チャンネルにて

出演:TAKU INOUE / ゲスト: 星街すいせい

<TAKU INOUE プロフィール>
サウンドプロデューサー/コンポーザー/DJ
2009 年にバンダイナムコゲームスに入社。リッジレーサーシリーズ、鉄拳シリーズなどナムコ関連の作品を幅広く担当。得意とするダンスミュージックに、エッジかつキャッチーなサウンドメイク・メロディーメイクを取り入れた縦横無尽に切り込むサウンドは日本だけでなく、海外からの支持も高い存在となっている。 多種多様なジャンルの音楽を取り入れながらもポップミュージックとして昇華する独自のサウンドメイクは今後の時代を牽引するプロデューサーとして期待が高まる。
『アイドルマスター』シリーズや任天堂 /Cygames アクションロールプレイングゲームアプリ 『ドラガリアロスト TM』などの人気ゲームの楽曲をはじめ、DAOKO、Eve、ナナヲアカリ、STU48、月ノ美兎、HOWL BE QUIET などの人気アーティストのサウンドプロデュース / 楽曲提供 / リミックスも数多く手がけてもいる。
2019年公開の蜷川実花監督 映画「Diner ダイナー」主題歌DAOKO×MIYAVI「千客万来」のアレンジ、2020年ロッテ ガーナチョコレート “ピンクバレンタイン” テーマソング Eve「心予報」のアレンジも担当し大きな話題を生んだ。
2021年7月公開のTVアニメ「迷宮ブラックカンパニー」劇伴を担当することが決定!
2021年7月14日 トイズファクトリー内のレーベル「VIA」よりメジャーデビュー楽曲「3時12分 / TAKU INOUE&星街すいせい」をリリース!

関連リンク

TAKU INOUEオフィシャルサイト
https://taku-inoue.com/

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