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INTERVIEW

2021.04.20

和テイストを取り入れ新たなRAS像を提示した、TVアニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』OPテーマ「EXIST」をリリース!RAISE A SUILENインタビュー

和テイストを取り入れ新たなRAS像を提示した、TVアニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』OPテーマ「EXIST」をリリース!RAISE A SUILENインタビュー

『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』と声優・Raychellとしての挑戦

――ちなみにRaychellさんが『擾乱』で演じている花風エレーナは、どんなキャラクターなのですか?

Raychell 彼女は先ほどお話した雪や月と一緒に「鵺」と呼ばれる処刑人チームを結成していまして。人目につかないところで悪い人たちを成敗していくようなことをしているんですけど……。

――「必殺仕事人」的な感じですかね?

Raychell まさにそれです! で、花は表向きは小説家でもあり、なおかつ高級娼婦でもあるんです。金髪と美貌の持ち主で、背負っているものもたくさんあるのですが、性格自体は好き嫌いがはっきりしていて。女よりも男、人情よりもお金、みたいな。

――わかりやすい性格ですね。

Raychell そうなんです。私も、ある意味、そういうはっきりした女性が好きなので、最初はすごく憧れました。でも、お話が進むうちに、抱えている想いや人間らしさ、成長がどんどん見えてきて。最終回のアフレコでは、私自身、テストでも本番でも泣いてしまいました。ぜひアニメで花の成長も観ていただけたらと思います。

――Raychellさんは最近だと「D4DJ」にも姫神紗乃役で出演していますが、声優のお仕事にも興味がおありなのですか?

Raychell 「BanG Dream!」のお話をいただく前から舞台に出演したり、演技の勉強をさせていただいた時期もあったのですが、声優というお仕事は「BanG Dream!」プロジェクトが初めてでした。そこで声だけで表現する難しさと面白さを感じて。そこから「D4DJ」や今回の『擾乱』のお話もいただけたので、今はRASとしてアニソンにも関わっていますが、これからは声優としても色々チャレンジしたい気持ちが強くなっています。『擾乱』でエレーナをやらせていただいたことは、自分の人生において大きな挑戦でした。

――「BanG Dream!」で担当しているレイヤとはまったく違うタイプの役柄ですものね。

Raychell それこそレイヤでは出していない声をたくさん使っていて。エレーナは娼婦でもあるのでとても妖艶なんですよ。しかも人を痛めつけるのがすごく好きなキャラクターで(笑)。

倉知 お~、すごい(笑)。

――PVではムチを振ってましたが。

Raychell そうなんですよ。ムチを振ったりボウガンを撃って人を殺すんです(笑)。アフレコのときも「笑いながら殺してください」という指示があって。

倉知 ワーオー!!

Raychell まさにそのリアクション!(笑)。「人を殺すことに快感を持ってください」とのことだったので、今までにない経験をさせていただいて、アフレコはすごく楽しかったです。まだ言えないこともたくさんやっているので、ぜひともアニメを観ていただきたいです!

新曲「EXIST」に盛り込まれた新しいチャレンジとRASらしさ

――「EXIST」の話に戻ります。この楽曲にはRASとしての新しい挑戦がたくさん盛り込まれていますが、お二人がシンガー/プレイヤーとして新鮮さを感じた部分を教えてください。

倉知 キーボード的には、今までにない歪んだサウンドを使っています。ピアノの音色にしても割れたような音というか、ちょっとひねくれた感じの音ですし、シンセでメロディラインを弾くところも、今までのRASの楽曲のシンセは真っ直ぐめではっきりした部分が多かったんですけど、今回はどこか歪んだ、いつもとは違う周波数の揺れを感じる曲になっていて。

Raychell 音色はどのぐらい使ってるの?

倉知 今回はピアノが割れた音とクリアな音の2色、シンセも2色なので全部で4色です。音色の数としては平均的なんですけど、この曲はずっとキーボードの音が入っていて、特にピアノとシンセの音の切り替わりが早いんです。なのでライブのときは移動をタイトに詰めて頑張らないといけない部分が多いですね。音数も今までのRASの楽曲に比べると、全体のシークエンスが少なめじゃないですか。

――たしかに今までの楽曲はもっと色んな音を重ねた分厚いサウンドが主でしたが、この曲はいい意味で隙間を感じさせますね。

倉知 この曲は1つ1つの楽器の音が、ほかの楽曲よりも浮き出て聴こえると思うんです。より1人1人の音で情緒を出していくことが大切だと思うので、ライブではより神経を研ぎ澄ませる曲になると思います。

――Raychellさんはいかがですか?

Raychell ボーカルの面で言うと、今回は和ロックテイストということで、私から提案してこぶしを入れたんです。そういった部分でレイヤの新しい歌い方が発見できました。地声と裏声とのミックスの両方を細かく入れているので、喉のいい運動になります(笑)。トップノートのミックスで張っているところも、今までのRASにはあまりなかった歌い方で、どちらかというと「ガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)」楽曲のカバーをしているときの歌い方に近いのかな?

倉知 あ~、なるほど!

Raychell  Afterglowさん、パスパレ(Pastel*Palettes)さん、ハロハピ(ハロー、ハッピーワールド!)さん、Glitter*Greenさんたちの楽曲を歌うときの喉の使い方をしているというか。でも、RASには強さが必要なので、それがハイの部分にかけて強めに出てると思います。ボーカリストの方なら歌の練習にもすごくいい曲だと思います。

――こぶしを含め色んなテクニックを使っているわけですものね。

倉知 そこは色んな楽曲を歌ってこられたチェルさんだからこそのお歌ですよね。RASとしてのカバー曲もそうですけど、チェルさんが歌手としてずっと培われてこられたものがあるからこその、今の「EXIST」なんだろうなあと思って、勝手に感動しちゃいました(笑)。

Raychell ありがとう。でも私は元々演歌も好きだったから、実は「天城越え」が十八番なんですよ。

――たしかにこの楽曲、歌い方に石川さゆりさんっぽさを感じる瞬間がありました。

Raychell ホントですか!? 私、石川さゆりさんが大好きなんですよ。それこそ今回は和楽器バンドさんとか、こぶしを使って歌う方の研究をたくさんしたんですよ。なので、石川さゆりさんの要素も確実に入っています(笑)。石川さんは本当に歌がお上手で。私は特に若い頃の石川さんの……って話が逸れちゃいましたね(笑)。

――また別の機会にぜひ(笑)。歌詞については、『擾乱』の世界観に合わせて書かれている一方で、RASらしさも感じられると思うのですが、いかがでしょうか?

Raychell 『擾乱』の登場人物たちは1人1人が芯を持って自分の人生を生きているのですが、私たちRASも1人1人が「自分たちのサウンドを世界に届けるんだ!」という意志を持っていて。チームで一本の筋が通っているところは近いと思います。私たちも世界を目指して道を進んでいるので。「修羅の道を行く!」って言うのは大げさかもしれないですけど(笑)。

倉知 たしかに。前に前に!っていうところはRASと共通するところがあるなと思いますね。

Raychell 『擾乱』というアニメ自体、英語の副題が付いている通り、世界に向けても発信しているものなので。それがRASをOPテーマに起用してくださった意味の1つだと思います。

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