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INTERVIEW

2019.07.17

夏のお供におススメの1枚が完成!駒形友梨 2ndミニアルバム『Indigo』インタビュー

――続く「August 31」は情熱的な楽曲として完成しています。

駒形 とても情熱的な楽曲ですよね。今回の作品では「幸せな、明るいあたたかい曲を」と話をしていたら、気付いたらマイナー調の曲がぜんぜんなくて。途中で、「そういう曲も、ぜひ入れましょう」となって作ったのが「August 31」です。歌詞には、失恋の狭間から抜け出せない人の想いを書き記していますが、今までの歌詞は全部女性視点なんですけど、この曲は、珍しく男性視点でアイラさんが書いてくださいました。この歌詞は、「夏と秋の狭間に閉じ込められて、そこから出られない。そういう気持ちの葛藤や迷いを書いていただけたらうれしいです」とアイラさんにお願いをして、そのイメージが歌詞にも出ているなと思います。

――スパニッシュな曲調も、心を燃やしてくれますからね。

駒形 そうなんです。だから、より歌詞の感情を歌で表現しやすかったです。

――その次の「優しい雨」も、駒形さんの手による歌詞になります。

駒形  「おそろい」の作詞はすごく時間がかかったんですけど、「優しい雨」は自然と言葉が出てきて一週間くらいで書けました。この歌詞は、すごく曲に引っ張られた感じがありましたね。テーマとなるコアな部分は、わたしが普段から感じていること。曲を聴いたときにその想いがリンクしたというか、「この曲になら、思っていたことを書いてみたい」となり、そこから自然と言葉が出てきました。

――「優しい雨」に出てくる相手との関係性といいますか、相手のことを信頼していたからこそ、今もこういう想いを抱けるんだなと感じられたのもうれしかったことでした。

駒形 当時は「絶対に忘れない」と思っていた悲しいことやつらいことが、時間が経つにつれてあまり思い出さなくなることってありますよね。思い出しても、逆に温かい気持ちで受け止めていることも。そういう時間が経つことでの自分の心の変化を書けたらなと思っていたところ、曲調と想いがぴったり合ったので、わたし的にはとてもお気に入りの楽曲になりました。

――切ない曲ではありますが、しっかり先を見据えているように、最後はポジティブな気持ちへ持っていってくれますからね。

駒形 わたし自身、疑問に思っていた当初は、結局答えは出ず、ポジティブな気持ちに昇華はできていなかったんですけど、この曲へ、当時の気持ちを振り返りながら書いたことで、「あっ、これでいいんだろうな」とひとつの答えが出たみたいな感じもしていて。だから、書いて良かったなと思える歌詞になりました。

――駒形さん自身、歌詞を書くことで気持ちの整理ができている面や、そこで改めて気付く想いもあるのでしょうか?

駒形 あります。普段なら、そこまで深くは考えなかったことも、歌詞に想いを投影しようとなったときに、より深く考えを突き詰めていく自分がいました。だからこそ、「あっ、当時の自分はそんなふうに考えていたんだなぁ」「今はこういう言葉が出るということは、前向きに感じていれるからなんだ」という気づきがありましたね。

――そして最後に流れる「night sea」が、とても素敵過ぎます。この曲へは、あえて歌詞は入れなかったんですね。

駒形 「night sea」はスキャットだけで構成しています。『〔CORE〕』のときにプロローグとして「starting the haze」という短い楽曲を入れたので、『Indigo』にはエンディングで短い楽曲をぜひ入れたくて、「night sea」を作っていただきました。幻想的な雰囲気を描きたかったので、歌詞はあえてなくし、スキッャトした声だけにしました。

――「night sea」のエンディングが、そのまま「アクアリウム」に繋がる。ループしていく、その感覚も素敵だなと感じました。

駒形  「night sea」の最後に、「アクアリウム」に入ってる水の音をまた入れていただけるとうれしいです」とリクエストさせていただいきました。それによって、このアルバムに統一感が出たような気がします。しかも、まだ続いていく感覚があると同時に、もう一度頭の「アクアリウム」へ戻る、そういう循環や広がりのようなものを作品の中へ出せて良かったなと思います。

――むしろ、そのループ感にはまってしまいますからね。「Indigo」という作品自体が、とても統一性を持った作品に仕上がっている印象も感じています。

駒形 ホント、そうなんですよね。最初は、そこまで統一感を意識していなかったんですけど、出来上がったものを聴いたら、ちゃんと『Indigo』というアルバムの中に、それぞれの曲が意味を持って存在していて、すごい良かったなと思います。

――タイトルの『Indigo』は、最初から考えていたのでしょうか?

駒形 ミニアルバムへ収録する楽曲の中で、最初に生まれたのが「アクアリウム」なんですけど、そのあとくらいにこのタイトルを付けました。その時点ではまだ楽曲が全部出揃っていなかったとはいえ、最初の打ち合わせで出ていた「春夏感」や「爽やか」なイメージは「アクアリウム」の持つ印象にも繋がっていきましたし、いろいろ候補を出した中から、イメージにいちばん近いタイトルとして『Indigo』を選びました。

――完成した2ndミニアルバム『Indigo』、駒形さん自身、どんなふうに手応えを感じていますか?

駒形 最初の頃は、「おそろい」とか恥ずかしくて聴けなかったんですけど、身内の間で「おそろい」が高評価だったことから、自分でも「おそろい」が改めて好きになったという個人的な感想もありますが(笑)。1曲ごとにテーマが明確なうえで、いろんな表情がある曲たちを詰め込んだので、ぜひ夏のお供にしていただきたいですね。夏のいろんなシチュエーションで聴いていただけるんじゃないかなと思います。

――「おそろい」や「優しい雨」からは、駒形さんの、相手に対する思いやりや強い信頼が見えてきました。

駒形 自分が作詞したものに関しては、「時の葉」のときもそうだったんですけど、相手に対しての感謝の気持ちや、相手の想いを受けて自分も頑張っていこうとポジティブに気持ちを持っていくところは、自分の中にずっとある感情だからなんだと思います。それこそ、相手に心許したからこそ出てくる表現なのかもしれません。

――書いた人のキャラクターが見えてくる作品なのもいいですよね。

駒形 ありがとうございます。作詞って、書いてる最中は大変なんですけど、いざ書き上がってみると「書いて良かったな」って思えるんですよね。これからも長く音楽活動を続けていきたいので、歌詞はこれからも積極的に書いていきたいなと思います。

――コンスタントに作品を出している姿を見ていると、駒形さんの中では、音楽活動も大切な表現のひとつになっているのでしょうか?

駒形 そうなっています。歌はずっと好きで、やりたいことでもあったので、こういう活動があるといい刺激にもなりますし、自分の自信にもなります。

――2ndライブの開催も期待したいです。

駒形 わたしも、ぜひやりたいです。それも、スタッフの方々が考えてくださっていると思います。

――今は、ちょうどリリースイベントの時期ですよね。

駒形 今回もいろいろまわらせていただけています。普段のイベントでもお客さんのリアクションは感じていますけど、どうしても舞台上から一方的に発信するという形になってしまうところもあるのですが、リリイベはファンの方々との距離感が近いのと、お渡し会を通して一対一でちゃんとお礼も言えますし、感想も聞けるので、すごくいい機会だと思っています。自分自身の活動だからこそ出来ることとして、リリイベはこれからも大切にしていきたいです。

――気になるのが、イベント内容の「駒形友梨カラオケリサイタル」なんですよ。これ、どういう内容なんですか?

駒形 ご好評につき、第三回目をやることになりました。これは、お客さんがカラオケ屋さんの壁となり、わたのヒトカラ(一人カラオケ)を聴くという体で行っているイベントです。なので、わたしが、歌いたい曲をひたすら歌うだけという内容です。何が飛び出すのかはわかりません。一応歌おうかなという曲は用意しますけど、本当に自由に、最終的にその場のノリで歌っていますから、私はすごく楽しいです(笑)。規模を大きくしてやるイベントでもないので、そこはレア感を楽しんでいただければと思います。

――まずは、2枚のミニアルバム『〔CORE〕』と『Indigo』を通して四季を感じながら楽しんでいただければという感じでしょうか。

駒形 そうですね。この2枚のアルバムを通して全部の季節を網羅出来たので、今度はまた別の可能性に……別の扉を開けられそうな気も今からしています。

――そこ、楽しみにしています。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

駒形 今回の作品は、今までの中でもいちばんと言っていいくらい、わたしの考えや想いを反映しているアルバムだと思うので、今年の夏だけとは言わず、毎年の夏のお供にぜひ聴いて、ミニアルバム『Indigo』と一緒に思い出を残してもらえたらなと思います。

Interview & Text By 長澤智典


●リリース情報
『Indigo』
7月17日発売

品番:TECI-1650
価格:¥2,500+税

<CD>
1.アクアリウム
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:矢野達也
2.ララルハレルヤ
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:えとゆま
3.invincible self
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:矢野達也
4.おそろい
作詞:駒形友梨 作曲・編曲:加藤冴人
5.August31
作詞:結城アイラ 作曲:黒川陽介 編曲:谷ナオキ・黒川陽介
6.優しい雨
作詞 駒形友梨 作曲・編曲:新田目駿(HANO)
7.night sea
作曲:小高光太郎・UiNA 編曲:小高光太郎

【限定盤】
価格:各¥3,200+税

アニメイト限定盤
品番:TEI-114

ゲーマーズ限定盤
品番:TEI-115

とらのあな限定盤
品番:TEI-116

<収録内容>
Mini Album「Indigo」+特典CD

※特典CD収録内容
Mini Album「Indigo」収録の全7曲のinst ver.と、Mini Album「Indigo」収録曲の中から vocal only ver.1曲(各限定盤により異なる曲となります)の全8トラック
※収録内容は予告なく変更になる場合がございます。

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