神からの試練に、ふたりが立ち向かう! Pyxis Live 2019 “Pyxis Party ~神田明神の変 色々成就させちゃえ大作戦!~”レポート

2月17日、神田明神ホールにて“Pyxis Live 2019 “Pyxis Party ~神田明神の変 色々成就させちゃえ大作戦!”が開催。毎年冬に開催されることが恒例となった声優・豊田萌絵と伊藤美来によるユニット・Pyxisの三回目のワンマンライブは、会場を活かしたコンセプチュアルなものに。それと普段通り、いやそれ以上のふたりの良質なパフォーマンスが掛け合わさった、ピクみん(※Pyxisファンの総称)ものとなっていた。

ステージ上に鳥居が立つなか、巫女を彷彿とさせる衣装を身にまとったふたりが登場。ナレーションによってこのライブでのふたりが巫女であり、そして「一人前の巫女になるために神からの試練に取り組む」というコンセプトが明かされ、“成就ゲージ”をMAXにしてその認定を得るまでは結界によりホールから出られない……という設定も告げられる。そしてまずは「恋愛を成就させよ!」との試練を受け、1曲目に「First Love 注意報!」を披露。前述のような衣装にもかかわらずダンスは普段通りの軽快そのもので、歌声も相まってそのパフォーマンスは実にキュート。サビの左右対称のフリや後半のシンクする振付もきれいに揃え、Bメロ終盤のぽんぽん跳ねる部分も息ピッタリだ。続く「LONELY ALICE」では、1サビ前半でのおいかけっこをするような振付を利用して下手側へ移動してファンのそばに赴く場面も。2コーラス目では、Aメロのダンスに切れ味の良さを見せつつちょっぴりドヤ顔な伊藤に、2サビ後半の歌声の豊かさを増した豊田と、それぞれが曲の中で個性を見せる。かわいさ濃いめのこの曲においては、大サビ終盤「かけなおして」の伊藤のファルセットの美しさもよく映える。こうしてラブリーな2曲を、最後にふたりでハートマークを作って締めくくったのだった。

しかし肝心の“成就ゲージ”の溜まりは、まだ一割ほど!昼の部よりも溜まりが悪いという状況に、伊藤からの「『恋愛を成就させよ!』だから、恋愛の曲を!」との言葉に続いて、神からのお目付け役(ダンサー)ふたりとともに4人で初恋ナンバー「初恋の棘」からライブを再開。Bメロでは、前後縦に並びながらもタイミングをうまく合わせて左右対称の方向を指差すというコンビプレイもうまく決めたり、2コーラス目には手をつないで周回したりと、特にコンビネーションの生きたこの曲。その一方で表情での切なさの出し方の向上も感じられる1曲となっていた。続く情熱的なナンバー「Pinkie×Answer」は、1-Aメロ終盤の豊田のロングトーンに強さや芯がより前面に出たものに。1サビで両サイドのお立ち台に分かれて歌ったり、落ちサビで背合わせになった際のふたりの切ない表情もまた素晴らしい。一方「ダイスキ×じゃない」では、ポップな女子同士のバトルナンバーらしく曲が始まった瞬間にふたりとも一気にその表情をカチッと切り替え、うまくキュートに振り切る。特にこの曲での豊田の惹き付け方は尋常ではなく、頭サビからフロアを煽ってフロアに熱を与える一方で、後半に入る辺りに織り込んだぶりっ子ポーズも完璧だった。また、2サビ明けにはフロアへと金平糖を撒きまくったこの曲は、お祭りナンバーのような存在にもなっていた。

ここでライブは小休止。会場隣の神田明神へ、ふたりがご挨拶に赴いた際のVTRが上映される。そのなかでふたりが奉納した絵馬には、伊藤は「ライブが大成功しますように!」、豊田は「ファンのみんなが幸せになりますように!」とそれぞれ記入していた。

さて、ここで“成就ゲージ”は3割ほどに。今度は「ひとりだけの力で試練を乗り越えよ!」とのミッションが告げられると、ステージにはネコ耳を装着した豊田が登場。お目付け役ふたりを“ニャンサーズ”として従え、ファンへ振付解説を挟んだところで「Call Me もえし」へと移る。ネコ手にしたAメロから振付にあざとさを見せ、サビのコール部分でもマイクを向けたりとキュートさ全振りの歌声で楽しみながら盛り上げると、Bメロではフロアから「もーえし!」のコールが。Dメロの「見てほしいな」のセリフで打ち込まれた最強のかわいさもまた、ファンを魅了する。続く「初めて塾をサボった日~みくと原宿とクレープと~」では、ちょっと垢抜けない出で立ちで伊藤が登場。こちらも1サビの最後のフレーズ「チクリチクリチクリ」にキュートさを思い切り詰め込むと、メガネとおさげを外して、ちょっと背伸びした女の子へと変身。2サビにはセンターでスポットライトを独り占めし、大サビではマイクを持たない側の手でハートを描いたりと、かわいさをしっかり出していた。その後奏では豊田が上手奥にそっと登場。一緒に踊るにとどまらず、スポットライトも浴びる“アウトロ泥棒”を敢行。曲明けには「リハで観てたら完コピしちゃった」とこぼしていた。
そして今度は「健康パワーを溜めよ!」とのお告げを受け、サイレンとウグイス嬢のようなアナウンスを皮切りに、野球場のイメージをバックに「13番」へ。歌詞に合わせた夕陽のようなオレンジの照明効果も観客を楽曲に没入させ、曲の冒頭からコール部では合唱が起こる。落ちサビでの伊藤のファルセットと地声の使い分けの聴き心地の良く耳に残る。また、恒例となった2サビ明けのバッティングでは次々にいい角度の軌道を描き後方までボールが届いたりと、ふたりとも上達が。続いては「次はみんなでタオルを回して運動しよう!」の豊田の呼びかけから、「Sweat&Tears」に。2サビではそれぞれお立ち台に登り、イントロやサビから回りまくっていたタオルの海を見下ろす形となりながら、ふたりも非常に楽しそうにタオルを回す。そこからうって変わってオトナな視線へと変わったのが「ミライSniper」。こういうナンバーでキリッとかっこよく切り替えて違った魅力を放てるのもこのふたりの強みで、2サビ入りでの豊田のダンスも、曲に没入した大きくて切れ味抜群のものだった。その2サビ明けには、ハンディカムで映されたファンがスナイパーのスコープに狙われるような映像演出も織り交ぜつつ、後奏までセクシーに魅せてくれた。

ここでお目付け役ふたりのダンスタイムや、映像での今後のPyxisの情報などが紹介されると、神から第四の試練が告げられるのを前に「ちょっと待ってー!」とふたりが新曲衣装で登場。直前に映像で情報が紹介されたその新曲「恋せよみんな、ハイ!」の披露へと移る。
鼓など和のサウンド要素も織り交ぜられたかわいらしいナンバーで、楽曲冒頭の「くるりんくるりんくるりんぱ」の歌詞にあわせていきなりふたりが周回を見せるなど、振付は賑やかでかわいいものに。豊田の歌声も思いっきり甘めに振り切ったもので、楽曲とのマッチングは良好だ。テンポも非常に速い曲だが、それでいて細かいポイントで対称となる動きをしっかり見せられている点から、このふたりのコンビネーションのすごさを改めて感じさせられた。伊藤も2サビの後半でとびきりの笑顔で思いっきり飛び出してきて、かわいさをしっかり見せてくれた。

曲明けには、昼と合わせてもまだ二度目の披露だったのにもかかわらず「もう一体感があってびっくり!」と語る伊藤。「これはMAXだよ!」と成就ゲージの伸びにも期待を見せるが……7割ほどまで伸びたかと思ったら一気に約半分まで戻る。これには豊田も「思わせぶりー!」とクレーム。そんなイライラのせいか、ステージ上で揉め事発生。前述の“アウトロ泥棒”を責められる豊田に、「13番」でのボールが飛んできたことを突っ込まれる伊藤。そしてピクみんのせいにしだすふたり……という茶番が展開。神からの厳しいお叱りを受けて「ごめんなさい、人のせいにして」とピクみんへ謝罪すると、第四の試練「友情パワーを溜めよ!」に向けて「ふたりの友情を見せられる曲」として「Pop-up Dream」を、ふたりの仲の良さが見えるMVを背負いながら披露。ふたりの友情はもちろん、1サビ「ぎゅっと」のフレーズでは豊田が腕と目をギュッとして、かわいさも見せる。さらに、ふたりの息の合い方がキモになる「FLAWLESS」で、続けて友情パワーを見せつけるPyxis。しかもこの日はソロを執らない部分でコミュニケーションを取ったり、ファンとのつながりも大事にした曲に。それでいて大サビでは本気のダンスもしっかり魅せて、押えるところはしっかり押えていた。そしてそのまま突入したハイスピードなナンバー「Next Flowers」は、伊藤の視線や表情の見せ方が抜群。Bメロまではシリアスめに展開しつつ、豊田と顔を見合わせるときだけ表情を緩ませたり、サビ最後のロングトーンにフロアの盛り上がりを見てニヤリとしてかっこよさを出したりと、とにかく彼女の生き生きとしたステージングが印象に残る1曲となった。

そのパフォーマンスの甲斐あって、最後に成就ゲージはすさまじい勢いでMAXに到達。ふたりは無事、神様から巫女として認められたのだった。ちなみにこの神様の声が山崎エリイによるものだと明かされると、ふたりはここまででいちばんのひざまずきっぷりを見せてくれた。そしてラストナンバーを前に、ふたりから「もっともっとたくさんの人にPyxisを知っていただきたいし、もっと『Pyxisっていいユニットなんだよ』って気づいていただきたい!と改めて今回のライブの準備を通じて感じました(伊藤)」「1年ぶりのワンマンライブ、たくさんお待たせしちゃったけど、こうして成功できてうれしいです。一緒の時間が長くなればなるほど飽きない家族みたいな存在の美来と、ふたりの魅力を伝えられたんじゃないかな?と思っています(豊田)」とそれぞれからメッセージが送られ、ラストナンバー「流れ星ハーモニー」がスタート。この曲もふたり見つめ合う部分では互いに微笑みながら、伊藤のファルセットが映える頭サビや、サビでの豊田の素早い軸移動とスピンの美しさといった見どころが満載。ふたりの長所を最後まで高い水準で見せ続けてラストナンバーも終了。お目付け役のふたりも一緒に4人で手をつないで礼をして、三度目のワンマンライブも大成功に終えたのだった。

既発曲のそれぞれのブラッシュアップもさることながら、新曲「恋せよみんな、ハイ!」のいきなりのパフォーマンス水準で、2019年一発目のワンマンから驚かせてくれたPyxis。いわゆる“変態曲”と呼んでも差し支えなさそうなほどにレベルの高いこの曲も、今のふたりならばきっとさらに成長させることができそう。絵馬に描いたポジティブな野心を持ち、2019年も仲良く進み続けるふたりの活躍は、この日得たご利益も後押しにきっとまだまだ続いていくことだろう。

Text By 須永兼次

Pyxis Live 2019 “Pyxis Party ~神田明神の変 色々成就させちゃえ大作戦!” 夜の部
2019.02.17@神田明神ホール
【SET LIST】
M1.First Love 注意報!
M2.LONELY ALICE
M3.初恋の棘
M4.Pinkie×Answer
M5.ダイスキ×じゃない
M6.Call Me もえし
M7.初めて塾をサボった日~みくと原宿とクレープと~
M8.13番
M9.Sweat&Tears
M10.ミライSniper
M11.恋せよみんな、ハイ!(新曲)
M12.Pop-up Dream
M13.FLAWLESS
M14.Next Flowers
M15.流れ星ハーモニー

●リリース情報
ニューシングル
TVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』OPテーマ
「恋せよみんな、ハイ!」
6月5日発売

●イベント情報
Pyxis 4th Anniversary Party 2019 ~らんらんの乱♪~
2019年6月8日(土)
よみうりランド 日テレ らんらんホール
[1st]OPEN 13:00 / START 14:00
[2nd] OPEN 17:30 / START 18:00

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