“色”をテーマに新しい楽曲の魅力を引き出した“三月のパンタシア LIVE 2019「ピンクスパークス」”レポート

2019年2月7日、“三月のパンタシア LIVE 2019「ピンクスパークス」”が東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた。今回のライブは最新シングル「ピンクレモネード」のリリースを記念したスペシャルライブで、“色”をテーマに様々な色彩を帯びた楽曲を披露。バンドサウンドの要素が強く、三月のパンタシアの音楽の進化を印象付けるライブとなった。また、6月にはワンマンライブが開催されることも告知され、3月発売のニューアルバムと共に今後の活動にも期待がかかる。

さざ波の音がするなか、ライブは始まった。ボーカルのみあは青い衣装で登場。まずは「青春なんていらないわ」を披露する。この曲は2018年の夏から行われている企画、「ガールズブルー」の第一弾として発表されたもので、みあのオリジナル小説をベースに楽曲や映像が展開されている。ただ、昨年の2ndワンマン“~星の川、月の船~”は映像の演出を駆使して視覚的な効果を意識したライブだったが、今回のライブはバンドもギターとキーボードだけというシンプルな編成で、みあの歌声を生で感じられるライブとなっていた。

みあは1曲目からクラップを煽っていく。距離の近さもあって最初から客席との一体感が強い。続けて最新シングルのカップリング曲「サイレン」を歌うと、平日にも関わらず多くのファンが来てくれたことを感謝した。その後は「群青世界」「青に水底」と青をテーマにした楽曲が続く。照明も歌詞のイメージに合わせて青が主体で、みあの透明感のある歌声と共に強い印象を残した。ここでいったん、みあはステージをあとに。

衣装を変えて登場したみあ。「花に夕景」は大きな振りで観客の反応を確かめるようにていねいに歌い上げた。続く「ブラックボードイレイザー」ではクラップが起こるなか、ステージの左右へ移動して観客にアピール。曲後のMCでは「“スパーク”はきらめきとかひらめきという意味があって、今日この日しかない夜にあなたの心にきらめきを残せるような、そんな音楽を届けるライブにしたいなという思いを込めて、こういうタイトルをつけました」と今回のライブ“ピンクスパークス”のタイトルの意味を解説した。また、今回は“色”をテーマにしているということで、このゾーンは“エモーショナルな赤”がテーマになっているという。その後に歌ったのが別れをテーマにした曲で「恋を落とす」と「リマインドカラー ~茜色の記憶~」。エモーショナルな歌声で、別れの光景を鮮やかに描写していく。

今回のライブは色の変化と共に衣装も変えていく演出のようで、今度は白い衣装で登場した。「day break」では悲しみのなかにもポジティブな感情をポップに歌い、「星の涙」では一転してほとんど動かずにていねいに歌い上げると、アップテンポな「ルビコン」は観客と目を合わせながら盛り上げていった。

最後のゾーンは“ピンク”がテーマで、衣装もピンクのTシャツにアレンジを加えたかわいらしいものに。強烈な恋愛の感情を歌う「イタイ」は印象的なギターの演奏もあって力強さを感じさせた。「シークレットハート」ではここまで静かに聴いていた観客のクラップもテンポがよく、終盤に向けてエンジンがかかってきた感じ。そして三月のパンタシアの楽曲の中でも疾走感のある「はじまりの速度」では、みあに促されて観客がオールスタンディング状態に。最高の一体感となって歌い終えると大きな歓声がこだました。

「今日はひとりで来た人もいると思うし、友達と来た人もいると思うし、遠くから来てくれる人もいるし……。知らない人たちなのに、こうやってひとつの音楽で今日しかない夜を一緒に過ごして、一緒に楽しめるというのは本当にすごいことで、これはもう奇跡みたいなことなんだなと改めて感じています。本当にいつもありがとう」と感謝の気持ちを述べたみあ。決して饒舌なタイプではない彼女だが、何度も口をついて出てくるファンへの感謝の言葉は誠実さが感じられる。こうした彼女の人間性を強く感じられるのもライブならではのことだろう。ライブ本編最後の曲は最新シングルの「ピンクレモネード」で、この曲も今後のライブで主軸となっていくことを予感させる盛り上がりだった。

アンコールに応えて再びステージに戻ってきたみあは「もう少しだけ歌ってもいいですか?」と言うとまず「フェアリーテイル」を歌い、会場は爽やかな雰囲気に包まれた。そして「お知らせをします。三月のパンタシアは3月13日に2ndアルバム『ガールズブルー・ハッピーサッド』を発売しますよね? 今日の終演後にリード曲の『三月がずっと続けばいい』をYouTubeで公開します!」と新曲の情報を告知。みあの物語を元に書き下ろされた曲で、小説はアルバムについてくるとのことだ。動画は現在公開中。

さらに「6月9日、日曜日、EX THEATER ROPPONGIにて、三月のパンタシアワンマンライブ“ガールズブルー・ハッピーサッド”の開催が決定しました!」と次のライブ情報を解禁するとファンは大喜びで拍手が鳴りやまなかった。「やっぱりみんなと過ごす夜がいちばん好きですね」とファンと時間を共有できるライブの楽しさを語った彼女。「次に歌う曲は“私とあなたの曲”だと思っています」というと、最後に歌ったのは「街路、ライトの灯りだけ」。バンド色の強い楽曲で、“君が”という歌詞のところで客席を指さすなどパフォーマンスもエモーショナルだった。

2ndライブでは全編がストーリー仕立てになっているというライブだったが、今回は“色”をテーマに照明や衣装で視覚的に見せる演出が中心だった。シンプルな編成でバンドサウンドを前面に押し出しており、進化した三月のパンタシアの音楽を印象付けた。また、MCはそんなに長いわけではないのだが、時折みあの魅力的な人柄が垣間見える場面があった。今までYouTubeやCDでしか三月のパンタシアの楽曲に触れてこなかったという人は、ライブに行ってみると音楽的な意味でもMCでもいい意味で印象が変わるかもしれない。次回はアルバムのタイトルを冠したライブだけに、どんなコンセプトで行われるのか楽しみなところだ。

TEXT BY 金子光晴

<セットリスト>
M01. 青春なんていらないわ
M02. サイレン
M03. 群青世界
M04. 青に水底
M05. 花に夕景
M06. ブラックボードイレイザー
M07. 恋を落とす
M08. リマインドカラー ~茜色の記憶~
M09. day break
M10. 星の涙
M11. ルビコン
M12. イタイ
M13. シークレットハート
M14. はじまりの速度
M15. ピンクレモネード

-ENCORE-
EN01. フェアリーテイル
EN02. 街路、ライトの灯りだけ


●リリース情報
『ガールズブルー・ハッピーサッド』
3月13日発売

【ガールズブルー・ハッピーサッド盤(初回生産限定盤、CD+BD)】
品番:VVCL-1423~1424
価格:¥4,600+税
仕様:特製ガールズブルー・ハッピーサッドBOX+イラストカード(10枚)+ボーカル:みあによる書き下ろし小説+ポスター型歌詞カード

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1425
価格:¥3,000+税

<CD>
01.三月がずっと続けばいい
作詞・作曲・編曲:堀江晶太
02.ピンクレモネード(6th Single収録 TVアニメ『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』OPテーマ)
作詞:分島花音 作曲:やいり 編曲:堀江晶太/やいり
03.風の声を聴きながら(5th Single収録 TVアニメ『スロウスタート』EDテーマ)
作詞・作曲・編曲:40mP
04.パステルレイン
作詞・作曲・編曲:堀江晶太
05.青春なんていらないわ
作詞・作曲・編曲:n-buna
06.ソーダアイス
作詞・作曲・編曲:buzzG
07.ビタースイート
作詞・作曲・編曲:すこっぷ
08.ラフスケッチ
作詞・作曲・編曲:40mP
09.ルビコン(4th Single収録 TVアニメ『Re:CREATORS』EDテーマ)
作詞・作曲:aokado 編曲:ゆうゆ/aokado
10.街路、ライトの灯りだけ
作詞・作曲・編曲:n-buna
11.コラージュ(5th Single収録 アニメ『衛宮さんちの今日のごはん』EDテーマ)
作詞・作曲・編曲:すこっぷ
12.東京
作詞:みあ 作曲・編曲:ゆうゆ

<Blu-ray>
01.ルビコン
02.風の声を聴きながら
03.ピンクレモネード
04.青春なんていらないわ
05.街路、ライトの灯りだけ
06.三月がずっと続けばいい
ほか、計8曲を収録予定

●ライブ情報
三月のパンタシア LIVE 2019
「ガールズブルー・ハッピーサッド」
6月9日(日)開場 16:00 / 開演 17:00
会場:東京 EX THEATER ROPPONGI
チケット:前売り ¥5,400(税込/ドリンク代別)

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