仲間として、ライバルとして。「THE IDOLM@STER THE@TER BOOST 03」リリースイベントレポート

「アイドルマスター ミリオンライブ!」発のCD「THE IDOLM@STER THE@TER BOOST 03」リリースイベントが2019年2月9日、都内某所で開催され、周防桃子役の渡部恵子、馬場このみ役の高橋未奈美、真壁瑞希役の阿部里果、白石 紬役の南 早紀が出演した。今回は昼の部をレポートする。

「THE IDOLM@STER THE@TER BOOST」はゲーム内イベントとCDドラマの配役を、投票によって決定する企画CD。テーマとキャラクターに合わせて、プロデューサー(ファン)たちによる熾烈な応援や、投票戦略の駆け引きが大いに盛り上がった。「THE IDOLM@STER THE@TER BOOST 03」のテーマは「劇場サスペンス」で、今回出演の4人が演じるアイドルと、種田梨沙演じる田中琴葉が配役を勝ち取った。

イベント開催日は大雪の直撃が予報された三連休の初日。予定通り開催できるかの調整が直前まで続いたが、当日は身を切るほどの寒さながら雪自体は小降りで、無事にイベントは開催された。にも関わらず、会場の座席はほぼ埋まる盛況で、悪天候の中この日のために駆けつけたプロデューサーたちの熱意を感じた。キャスト陣のオープニングトークも来場したプロデューサーたちをねぎらうもので、高橋は「私たちがほっかほかにしたいと思います!」と力強く宣言。阿部は「(会場が)取り残された孤島になったら一緒に脱出しよう」とCDのテーマのサスペンスにかけたトークをしていた。

「撮影裏話トーク」のコーナーでは、CDドラマや楽曲「ラストアクトレス」に関するトークが繰り広げられた。話題になったのが、ドラマパートの台本と物語の分量の多さだ。サスペンスという題材もあり、収録したドラマパートはCDにはいりきらないほどのボリュームになったとのこと。ここで渡部が、本編でカットされた重要な台詞を紹介していいかスタッフに確認。コレットの「プロデューサーさんが悪いんですよ。直前になってモニカちゃんがふさわしいなんて言うから」という犯行動機にまつわる重要な台詞が明かされると、会場はどよめきに包まれていた。

南も、探偵ウォーカーの冒頭の英語セリフがカットされたことを紹介。こちらは、やってみたら南が英語の台詞が苦手だったから、というかわいらしい理由だった。年末の「THE@TER BOOST 02」で、桜守歌織役の香里有佐が英語が好きだったために歌い分けの英語パートを担当することになったというエピソードと対になるようで少し面白かった。

阿部は配役投票企画の前シリーズである「THE@TER ACTIVITIE」で「学園ホラー」にキャスティングされていたことから、「前作は霊的な意味でのホラーでしたが、今回は人間のドロドロした怖さ、サイコパスな演技の琴葉ちゃんが好きです」と作品のテイストを比較していた。

高橋は「元大女優という、大人な役にこのみさんを選んでもらえて嬉しかった」と語った。CDドラマの中で別の役柄としてお芝居をする新鮮さを語った高橋は、いつかライブ(で歌う)導入でお芝居をやってみたいとも話していた。

「ラストアクトレス」の楽曲については、歌唱の中にもかなり、ドラマに通じる「演じる」要素があったようだ。南が「私が犯人よと言わんばかりの歌い方をしてほしいと言われました」と語ると、渡部も「誰もが犯人になってもおかしくないようなイメージでレコーディングに臨みました」と明かしていた。

お題に合わせたドラマをアドリブエチュードで作り上げるコーナーでは、「屋根裏の道化師」のスピンオフドラマに挑戦。お題は「主演・周防桃子」「バレンタイン」「アリバイ」「インフルエンザ」という内容だったのだが、4人で起承転結をつけるのは普段の5人より難易度が上がる。2番手の渡部が「お兄ちゃんに渡すチョコレートを探しにお店に来たことがバレないように、アリバイを作ってきた」という絶妙な設定で桃子を演じてひとり気を吐いたのだが、一番目の南、三番目の阿部、オチの高橋が揃って自由すぎたこともあり、シュールすぎる展開を楽しむ感じのドラマになった。

ドラマ後半では、脚本がある「屋根裏の道化師 アフターストーリー」を4人で朗読した。舞台挨拶の楽屋に残された謎を巡るやり取りの中で、瑞希が紬を探偵役として焚き付けてその気にさせていくところが見どころだ。ステージ上で探偵ウォーカーとしてのかっこいい芝居と、「なんなん!もう!」とキュートに怒る紬の両方を演じきった南の頑張りに、「かわいいかわいい。よしよし」とご満悦の恵子お姉さまだった。

ミニライブコーナーでは、まずは「ラストアクトレス」を披露。この曲は2018年10月21日の「ミリシタ感謝祭」で5人バージョンを初披露しているが、今回は4人でのステージ。左右対称、前後対称がより際立つ編成なこともあり、渡部が丁寧に立ち位置を確認していたのが印象的だ。おどろおどろしい照明が4人のシルエットを浮かび上がらせる演出はサスペンスがテーマのこの楽曲ならでは。

いざライブに入ると、楽曲と物語の世界に深く深く潜っていく高橋がまとう空気や、キャラクターボイスをキープしながらの阿部の圧倒的な歌唱力に圧倒される。アドリブエチュードでポンコツだったメンバーたちがライブパートで豹変するギャップは、新鮮な驚きというアクセントになっていた。

ラストの曲前のMCで4人は、いつかまた5人で歌いたいと口々に語っていた。MCで投票してくれた、応援してくれたプロデューサーへの心からの感謝の声が続くのはこのシリーズの常なのだが、少しトーンが違ったのが渡部だ。彼女が演じる周防桃子はこれまで行なわれた投票企画で、常に強い支持を受けてきた。渡部は投票で選ばれたアイドルの影には惜しくも届かなかったアイドルと応援するプロデューサーがいること、それでも全力を尽くすべきであること、ライバルたちへの感謝を言葉を選びながら語ると、「(プロデューサーたちが)桃子のPとして担当として戦い抜いてくれて感動しているし、感謝しています」と想いを伝えた。最後の締めでシアターの仲間としてライバルとして「ミリオンライブ!」を盛り上げたいと話したことも含めて、彼女にしか言えない言葉だったと思う。

「THE@TER BOOST!」で初めて投票企画に参加した南は、応援の絵や動画を見ていることや、ドラマCDで初めてこれほど多くの台詞を演じられた嬉しさを一生懸命に伝えると、「「ミリオンライブ!」は私にとって大切な、初めてをたくさんくれた作品です。もっともっと、頑張りたい!! これからも見守ってくださいって言ったら、怒ります……?」と、感謝と照れと少しの不安が入り混じった複雑な言葉を伝えていた。こと歌や演技、ライブに関しては努力に裏打ちされたしっかりした実力を見せる南だが、今日のイベントでは新人声優としての等身大の心情と姿が見え隠れしているように感じた。

イベントを締めるラストナンバーは、THEATERシリーズの共通曲「DIAMOND DAYS」。心なしか優しく、エモーショナルに聴こえた気もした「DIAMOND DAYS」だった。

Text by 中里キリ

©窪岡俊之 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. ©BNEI/PROJECT iM@S

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