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INTERVIEW

2019.01.09

10代の今を詰め込んだ1stミニアルバム『19BOX』が完成!亜咲花インタビュー 

10代の今を詰め込んだ1stミニアルバム『19BOX』が完成!亜咲花インタビュー 

2018年10月に開催した10代最後のバースデーライブでも新人離れした実力を見せ、着実にワンマンライブの規模を拡大している19歳のアニソンシンガー・亜咲花がファン待望の1stミニアルバム『19BOX』を2019年1月9日にリリースする。その実力を遺憾なく発揮し「10代最後の集大成」を掲げた内容とともに、アーティスト・亜咲花としての姿勢についても聞いた。

アーティスト・亜咲花のすべてが揃っている『19BOX』

――10月に開催されたバースデーライブでは、1stワンマンライブ後の「2時間ずっと飛ばしすぎたので、次は緩急をつける必要がある」という反省を受けての演出を実践されていたことがひとつ印象に残りました。ソロライブ1回目からご自身を客観視されていることに驚かされました。

亜咲花 前回は1stワンマンということもあり、背伸びして、アーティスト・亜咲花を出しちゃおうかなと、気負っていたんです(笑)。そう構えてステージに立っていたので、飛ばしすぎてしまったのですが、今回はお家に帰ってきたかのように、ありのままの自分で立ったほうがお客さんもうれしいんじゃないかという考えでバースデーライブに臨みました。ただ、全部等身大ではせっかく来てくださる方に面白みがないので、そこはアーティストとしての姿を使い分けながら展開していきました。と言いつつも、ライブが楽しいという感情はどうしても表に出てしまうし、それがいちばんだと思うので、出たら出たでライブの良さになるなと思って立っていました。

――会場も渋谷 duo MUSIC EXCHANGEと、前回から大きくなりましたね。

亜咲花 徐々にステップアップできている感触です。この半年間で自分のことを知って下さった方が増えたなぁと目に見えて知ることができた機会だったので、自分としてもとても励みにもなりましたし、またここから半年経ったらどれぐらいの人が集まってくれるのかという課題も自分の中で見えました。ただ、バースデーライブではちょっと自分で決めすぎていたかなと思う部分が多少あったかなというのも反省点です。ライブは生き物ですので、今度はもう少し自然体にその場に合った自分の感情を表に出して、例えばみんながスゴくノっているときには1曲目から煽ってもいいし、臨機応変にいこうと思いました。

――そしてそのライブの場で、待望のミニアルバム『19BOX』の発売を発表されました。

亜咲花 曲の中には音源化されず、ライブでしか披露できていないものもあったので、ファンの方からもたくさんのご希望をいただいていました。今回、ミニアルバムにしたというのにも理由があって。アルバムは人生の節目である成人のタイミングにとっておきたいなという気持ちがありまして、今回は「10代最後の集大成」として、今の自分にしか出せない曲をまとめ、ミニアルバムという形でリリースさせていただきます。

――亜咲花さんのなかではいつ頃から、そしてどんな経験がご自身の「10代」という認識ですか?

亜咲花 デビュー直前の16歳くらいからが、亜咲花としての「10代」のスタート。ただ、「アニソン歌手になりたい!」と強く思ったのは14歳からなので、原点に返るという意味では14歳からが「10代」かなと思います。ホントに人生が変わりすぎちゃって、最初は通訳さんになろうと思っていたのに、今ではアニソン歌手になっているという(笑)。ホントに10年っていろんなことがあるなと実感しています。それどころかこの1年でもスゴく変わっていますし、今年の1年ももっと変わっていると思うので、人生って何があるか分かりませんね!

――ミニアルバムの内容には本当に多彩な曲が並びました。

亜咲花 『19BOX』というタイトルは、本来のジュークボックスの機械になぞらえて、「皆さんが好きな亜咲花をご自身でセレクトしてほしい」という思いを込めて、ジャンルを敢えてバラバラにしています。

――リード曲「KILL ME One More Time?」はかねてからご希望の当世代風な「ジャズ・ロック」ですが、このジャンルはどういう考えから選ばれたのでしょうか?

亜咲花 「ジャズ・ロック」ってあまりアニソンで見ないなと、あるときふと思ったんです。シングルとかアニソンではなかなか歌う機会がないからこそ、アルバムの表題曲として出たらすごく面白いんじゃないかなと。それに大人な雰囲気の曲を10代の自分が歌うことのギャップですね。そういう型にはまらない感じを狙っています。タイアップがあると、アニソンシンガーの亜咲花になるのですが、ない場合はアーティスト・亜咲花になるので、アニソンでは出せない顔を出したいと思いました。作詞にもこだわって、ここにアーティスト・亜咲花のすべてが揃っていると言っても過言ではありません。

――アーティスト・亜咲花についてもう少し聞かせてください。先日のライブのMCでは、デビュー前には他所からのオファーを断ってまで、アニソンシンガーとしての道を進んだとお話されていました。そこまでアニソンにこだわっている亜咲花さんにとって、アーティストとしての側面を打ち出すことの意味を、ご自身ではどのように捉えていますか?

亜咲花 私もこういう気持ちになるとはデビュー当時はまったく思っていませんでした。作品があってこその自分の音楽という思いがあったのですが、歌っていくうちにアーティスト心が芽生えてきて。今まで歌ってきた曲はカップリング曲ではタイアップがないものもあるのですが、表題曲では初めてで。歌詞も自分で書きたい!と手をあげました。タイアップだと元の作品があるので、ある程度世界観やキーワードなど土台ができていることが多いのですが、自分の曲になるとそれがゼロであるとともに無限に選べるので、そういう歌をうたってみたいなと、歌えば歌うほど思うようになりました。

――リードトラックの「KILL ME One More Time?」の構想はどのように考えられていきましたか?

亜咲花 ジャズ・ロックを歌うときには自分で作詞して、テーマも大人な恋愛にすると決めていました。そこまでイメージしていたので最初はあまり困らなかったのですが、締切が近づくにつれてどんどんこだわりすぎてしまって、どれが正解か分からなくなってしまうくらい、ジャズ・ロックを歌うことへの憧れとこだわりがあったので、その意味で大変でしたね。最終的にはこの形に落ち着いて、自分の心の底から納得いくような歌詞になりました。

――大人な恋愛の歌を歌いたいと思われた理由は?

亜咲花 基本テーマとしては「自分にならない」ことです。今までの楽曲でいえば、アニソンであれば私がキャラクターの思いを代弁したり、なりきっていたり、カップリング曲では等身大の自分の姿だったのですが、一回等身大ではない別の人間の歌を、タイアップがない状態で歌いたいなと思ったんです。

――そう思われたのはどうして?

亜咲花 以前は自分を出してナンボだと思っていたんです。でもそれだけだと歌に味がないなと。全部自分を押し売りするのではなく、押したり引いたりするのも大事かなと思って。だから今回の歌詞を書くときも自分の経験や思いを一切捨てて、小説や物語のように書いていきました。誰かに乗っ取られたかのように。この曲を歌って、等身大を出すことも、経験がないことを歌うのも大事だなと思ったので、このミニアルバムを聴いて、亜咲花っぽくないと思われても、そういうふうに受け止めていただけたらと思います。

――歌ってみていかがでしたか?

亜咲花 サビのファルセットがとても好きで、この部分にピンと来たからこそこの曲を選ばせていただいたくらいです。ここはインパクトある歌詞にしないと、聴き流されてしまうなと思って、敢えて“Will you kill me one more time?”と英語にしました。しかも「私をもう一度殺してくれる?」と耳を疑うような攻めた内容にしています。この歌の印象として一聴するとすごく強気な女性に見えるかと思うのですが、実は強気なのは日本語の部分だけで、英語の部分は彼女の本心とか弱い部分を表現して二面性を出しています。英語だと直感的に分からないからこそ、彼女の弱さや見えを張っている部分をそこに隠していきました。だからこの曲は聴き込んだり歌詞を読み込んだりすればするほど彼女の本当の気持ちがわかるような作りにしています。そして落ちサビでは“Will you kiss me~”にして、弱くしていて、ここは自分でも上手くできたなと思います。

――MVもインパクトがある内容ですね。

亜咲花 オリジナルの曲という点ではMVでも亜咲花という人間を単体で知っていただけるかなと思いますし、MVを観るとまた曲の受け取り方も変わると思います。私も実際に変わりました。今までの中でいちばんストーリー性がありますね。映像も歌詞ほど重くない内容で、女性の理想と現実が合わないというテーマで、そのバランスもちょうどよくていろんな恋愛が詰まっています。

――カメラの切り替わりも凄かったですね。撮影はどんなようすでしたか?

亜咲花 うまいところで切って繋げて1カット風にしているんですよね。とはいえ、30秒~40秒撮るので、撮影はなかなか大変でした。例えば女性が飲みに来て私がバーカウンターでドリンクを提供しているシーンでは、女性が踊っている最中にカメラの後ろを猛ダッシュしてステージに戻って、瞬間移動したかのように演出しているんです。ダッシュするときには髪が乱れないように、カメラにぶつからないように気をつけました。走っては澄ました顔して歌っての繰り返しで、意外と体力勝負でした(笑)。

――カメラの前で仕草を含めて大人な女性を表現することは、歌とはまた違った部分があったかと思いますが、いかがでしたか?

亜咲花 この1年前は「SHINY DAYS」で女子高生の制服を着ていたので「亜咲花、どうしたの!?」と思ってほしかったんです(笑)。10代の女子がこんなに黒い服を着てライブハウスでスタンドマイク使っているのも、また型にはまってないなと。20歳前ということで今の自分の最大表現を詰め込んでみました。MVも私としては満点ですね!

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