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2018.09.03

サプライズで藍井エイルも登場!「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」初日詳細レポート!

後半戦の一発目は、スクリーンに『シュタインズ・ゲート ゼロ』のビジュアルと世界線の変動率を示すような数値が映し出され、その値が「20180824」を指し示したところで、いとうかなこが登場。同アニメのOPテーマ「ファティマ」を歌う。赤い照明演出と真っ赤に染まった客席のペンライトが、過酷な運命とその先の僅かな希望を予感させるドラマティックな楽曲世界を加速させる。

続けてZweiがステージ上段に登場し、同じく『シュタインズ・ゲート ゼロ』のEDテーマ「LAST GAME」を歌唱。黒いマントのようなものを羽織ってベースを弾くMeguと、顔にペイントを施した前衛的なスタイルでエモーショナルな歌をぶつけるAyumu。そのシアトリカルなステージは息を呑むほどのものだった。さらに、今度はいとうとZweiの3人で、ゲーム版「STEINS;GATE」のテーマソング「スカイクラッドの観測者」をコラボ。最新曲から、シュタゲという名作の始まりを飾った楽曲へと繋げることで、運命の円環を指し示すかのようだ。

そのステージを引き継いだのが中島 愛。柄物の大人っぽいドレスに身を包んだ彼女は、ランカ・リー=中島 愛として歌った『劇場版 マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』の主題歌「放課後オーバーフロウ」でライブをスタートさせる。今年で『マクロスF』のTV放送から10年、そして中島が声優デビューしてから10年というタイミングだからこそ意味のある選曲と言えるだろう。そして今、新しい挑戦を続けている彼女が2曲目に選んだのは、フジファブリックが提供したTVアニメ『ネト充のススメ』のOPテーマ「サタデー・ナイト・クエスチョン」。アグレッシブなバンドサウンドに乗せて元気いっぱいなアクションと表現力の増した歌声で魅せてくれた。

そしてセンターステージに現れたのは春奈るな。ピンク色の和風ドレスに同色の大きなリボンを頭につけた彼女は、『ゆらぎ荘の幽奈さん』のOPテーマでもある最新シングル「桃色タイフーン」を6人のダンサーと共にパフォーマンス。右に左にと動くかわいらしい振り付けや、間奏での「やっぱり、アニサマが好きだ~!」というセリフなどでキュートに盛り上げる。かと思えば『ソードアート・オンラインII』のEDテーマだったミディアム「Startear」では、切なくも決意の気持ちを込めた歌声でまったく別種の魅力を見せるところはさすがだ。

さらに続けて黒崎真音がリフトアップでステージに登場し、ふたりでSCANDALの「瞬間センチメンタル」をカバー。Poppin’Partyの大塚紗英と西本りみも演奏で加わり、艶味のあるデュエットをサポートする。

春名との初コラボで相思相愛ぶりを示した黒崎真音は、その後ステージに残ってソロでのパフォーマンスを披露。まずはTVアニメ『されど罪人は竜と踊る』のEDテーマ「decadence」でいつも以上に低音の効いたアグレッシブな歌声を聴かせ、バンドのドライブ感ある演奏と一緒にフロアの熱気を上昇させる。MCでアニソンを歌うことへの強い思いと感謝の気持ちをあらためて言葉にした彼女は、ここで今秋より放送されるTVアニメ『とある魔術の禁書目録III』のOPテーマ「Gravitation」を初披露。スクリーンには同アニメの映像も流され、会場からは大きな歓声が上がる。激しさと華やかさ、静と動の要素を併せ持った攻めのサウンドは、初披露にも関わらず熱狂を巻き起こし、ピアノの静謐なフレーズからパワフルなビートで完結するラストまで瞬く間に駆け抜けていった。

それに続いてアリーナ後方よりトロッコに乗って登場したのがWake Up,Girls!。まずはディスコムード全開の「極上スマイル」で〈フー!〉と盛り上げ、会場を文字通り極上スマイルに塗り替えていく。間奏でメインステージに到着した7人は、そこで華やかなダンス・パフォーマンスも披露。歌唱後は全員で声を合わせて「こんばんわぐ~!」と元気いっぱいに挨拶する。

2019年3月をもって解散することが決まっている彼女たちにとって、この日は最後のアニサマ出演。MCでは吉岡茉祐がしっとりとしたピアノの伴奏をバックに、これまで2014年、2015年、2017年と出場してきたアニサマへの思いを語る。そこに詰まった思い出とワグナーとの出会いへの感謝の気持ちを込めて歌われたのが、メンバー7人で作詞したナンバー「Polaris」だ。スクリーンには七色に輝く北斗七星が映し出され、7人は失われることのない夢への思いを北極星に託して、会場中に届けていく。2番からは過去のアニサマ出演時の映像が流され、その思い出を背にしながら花道をセンターステージに向けて進んでいく彼女たち。そして間奏部分に差し掛かると、ここでRun Girls, Run!、i☆Ris、ミルキィホームズ、Aqoursからのメッセージ映像が上映されるサプライズ演出が。突然のことに立ちすくみ、なかには涙をこぼすメンバーも。だが、その涙も流れ星に変えて、最後は輪になって手を振りながらしっかりと歌いきった7人の姿に、一番星のような輝きを見た人は多かったはずだ。

その感動の余韻も冷めやらぬまま、ダンサーを従えてステージ上段に登場したのが三森すずこ。白いドレス姿で「ユニバーページ」を披露する。間奏ではバレエ風にクルリと一回転するなど、その優雅な動きも相まってまさにミューズといった趣きだ。MCでは今年は9回目のアニサマ出演にして、史上初の3日間出場アーティストとなることを報告。「みんなも私と一緒に全通頑張りましょう!」とアピールする。そんな彼女が次に選んだ曲が「革命のマスカレード」。昨年のアニサマ出演時に志倉千代丸に楽曲提供をお願いしたことから生まれた、ゴシック感溢れるナンバーだ。衣装チェンジしてどこか謎めいた令嬢風となった三森をサポートするように、ギタリストの山崎 淳とZweiのMeguも仮面をつけて参上。先程の柔らかな優美さから一転、激しいロックで会場に熱をもたらした。

そのパッションを受けつつ、不穏なイントロを皮切りに激情的なパフォーマンスを見せたのがMYTH & ROID。すでに人気も知名度も充分の彼らだが、意外にもアニサマへの出演は今回が初となる。1曲目に披露したTVアニメ『オーバーロードIII』のOPテーマ「VORACITY」では、Tom-H@ckのヘヴィ極まりないギタープレイとKIHOWの変幻自在なボーカリゼーションで妖しくも魅惑的な世界観を構築。真っ赤な照明やホラー感漂う映像、動物の仮面をつけたダンサーの芝居がかった動きもフリーキーな雰囲気を強調する。続く『オーバーロードII』のEDテーマ「HYDRA」では、緩急の効いたドラマティックなサウンドで幻想的な光景を描き出し、MCなしで圧巻のライブを見せた。

続いてアニメ『十二大戦』よりドゥデキャプルのナレーションで十二支の戦士たちが一人ずつ紹介され、それに合わせてステージに12個の炎があがる。そして厳かな雰囲気と共に十二大戦の開始が宣告され、メインステージに現れたのはDo As Infinityのふたり。同アニメのエンディングを飾った澤野弘之プロデュース曲「化身の獣」の重厚なロックサウンドでオーディエンスを圧倒する。そこから挨拶とコール&レスポンスを挿み、「深い森」「君がいない未来」という『犬夜叉』のテーマ曲を連続で披露。スケールの大きなギターサウンドとメロディが感動的な前者、そこから一気に明るく弾けた後者と、ベテランならではの安定感と迫力を備えたパフォーマンスで盛り上げる。

興奮の熱が残るなか『ラブライブ!サンシャイン!!』よりAqoursのメンバー紹介映像が流れ始めると、客席は一気にヒートアップ。画面内のキャラクターのポーズに合わせて、一人ひとりがポーズを取り、キャラクターと声優とのシンクロ率を高めていく。そして9人全員がステージに出揃い、ライブはTVアニメ第2期のOPテーマ「未来の僕らは知ってるよ」からスタート。中央スクリーンではキャラクターが踊り歌う映像、サイドスクリーンでは声優たちによるパフォーマンスを楽しむことができる演出で、ファンは二重の意味で彼女たちのステージに没入できる仕組みだ。

そこから同曲のシングルのカップリングに収められたクールなダンス・ナンバー「君の瞳を巡る冒険」へと続ける彼女たち。この曲では桜内梨子役の逢田梨香子と津島善子役の小林愛香が向き合って手を伸ばし合う絡みに加え、国木田花丸役の高槻かなこが黒澤ルビィ役の降幡愛を後ろから抱きしめる振りもあり、どちらも会場が大きく沸き立つ。MCでメンバーがひとりずつ、それぞれのキャラクターらしい挨拶をしたあとは、アニメ2期13話の挿入歌「WONDERFUL STORIES」へ。この曲でもアニメ映像とのシンクロ演出で魅せ、ラストはセンターステージにて2期EDテーマ「勇気はどこに?君の胸に!」をTVサイズで披露してスペシャルライブを終えた。

ついにアニサマ1日目も残すところあと1組。この日のトリを飾ったのは、実に4年ぶりの出演となるOLDCODEXだ。バンドのヘヴィなサウンドが鳴り響くなか、ステージにはまずペインターのYORKE.が登場し、キャンバスに向けて白ペンキを走らせて「OLDCODEX We are here!」というメッセージを書きなぐる。そしてボーカルのTa_2(鈴木達央)が「お前ら行けるか!?」と煽りまくり、TVアニメ『Butlers~千年百年物語~』のOPテーマ「Growth Arrow」でライブの幕を開ける。性急かつ攻撃的なサウンドを背に、ときに叫ぶうような声を交えながら熱いパッションをぶつけるTa_2のパフォーマンスを受け、オーディエンスも心に火がついたように熱狂しまくる。

さらにTVアニメ『SERVAMP-サーヴァンプ- Alice in the Garden』の主題歌「One Side」へと続け、ステージ上に炎が上がるなか、Ta_2とYORKE.は羽織っていた上着を脱いでさらに白熱のステージを繰り広げる。MCでは4年ぶりの出演、しかもトリを任され、なおかつAqoursの次という出順に「そりゃあ緊張もするさ」と漏らして会場を沸かすTa_2。そして彼は一時期、声優アーティストであることによって色眼鏡で見られることに嫌気が差していたが、その後いろんな場所でバンドマンからOLDCODEXをきっかけにアニメを見るようになったと言われて、改めてアニメと向き合おうと思ったことを告白。「やっぱり俺は心の底からアニメが好きだったんだよ」と語り、喝采を浴びる。

そうして新しく生まれた楽曲「Heading to Over」は、現在放送中のTVアニメ『Free!-Dive to the Future-』のOPテーマであり、まだ色がついてないからこそ、サイリウムを灯すのではなく、コブシと声を上げて一緒に楽しんでほしいと提案するTa_2。それに応えて客席からは光が消えて真っ暗となる。きっとこれまでのアニサマにはなかったであろう光景のなか、OLDCODEXは「Heading to Over」を熱くパフォーマンス。会場からは自然とクラップが巻き起こり、心なしか体感温度も上昇するほどの盛り上がりを見せる。さらにラストは『黒子のバスケ』第2期のEDテーマ「WALK」を投入。Ta_2はフロアに降り立って、お客さんと直接触れ合いながらアニサマの大舞台を楽しむ(なんでも以前のアニサマ出演時にテンションが上がってフロアに降りたら怒られたので、今回は事前に許可を取ったのだという)。型破りだけどとにかく熱さの伝わるライブに、きっと男も女も関係なく惚れ込んでしまった人も多かったのではないだろうか。

ラストはこの日の出演アーティストが揃ってステージに上がり、唐沢美帆が作詞、神前 暁(MONACA)が作編曲を担当した今年のアニサマのテーマソング「Stand by…MUSIC!!!」を歌って大団円。歌い終わったあとは全員が花道を歩いて挨拶をし、順番に退場していくのが恒例となっているが、最後に残ったのはWUGの7人。彼女たちは去り際、リーダーの青山吉能の呼びかけで改めて整列し、マイクを通さず生声で挨拶をしてステージを降りたことは、やはり特筆しておきたい。アニサマという大舞台で多くのドラマを生んでくれた彼女たちに、敬意と感謝を込めて。

Text By 北野 創

“Animelo Summer Live 2018 “OK!”Animelo Summer Live 2018 “OK!””1st Day
2018.08.24@さいたまスーパーアリーナ
【SET LIST】
M1.DISCOTHEQUE / 三森すずこ×内田 彩
M2.流星 / 藍井エイル
M3.ラピスラズリ / 藍井エイル
M4.SPEED STAR / GARNiDELiA
M5.Error / GARNiDELiA
M6.君の知らない物語 / GARNiDELiA×中島 愛
M7.To see the future / レン(楠木ともり)
M8.Shocking Blue / 伊藤美来
M9.守りたいもののために / 伊藤美来
M10.PLEASURE FLAG / DearDream
M11.ユメノコドウ / DearDream
M12.Open your eyes / 亜咲花
M13.SHINY DAYS / 亜咲花
M14.Bright way / 内田 彩
M15.So Happy / 内田 彩
M16.Starlight / 山崎エリイ
M17.笑顔に会いたい / みっく&エリイ(伊藤美来×山崎エリイ)
M18.ティアドロップス / Poppin’Party
M19.キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~ / Poppin’Party
M20.God Knows… / Poppin’Party
M21.ファティマ / いとうかなこ
M22.LAST GAME / Zwei
M23.スカイクラッドの観測者 / いとうかなこ×Zwei
M24.放課後オーバーフロウ / 中島 愛
M25.サタデー・ナイト・クエスチョン / 中島 愛
M26.桃色タイフーン / 春奈るな
M27.Startear / 春奈るな
M28.瞬間センチメンタル / 黒崎真音×春奈るな feat.大塚紗英&西本りみ from Poppin’Party
M29.décadence -デカダンス- / 黒崎真音
M30.Gravitation / 黒崎真音
M31.極上スマイル / Wake Up, Girls!
M32.Polaris / Wake Up, Girls!
M33.ユニバーページ / 三森すずこ
M34.革命のマスカレード / 三森すずこ
M35.VORACITY / MYTH & ROID
M36.HYDRA / MYTH & ROID
M37.化身の獣 / Do As Infinity
M38.深い森 / Do As Infinity
M39.君がいない未来 / Do As Infinity
M40.未来の僕らは知ってるよ / Aqours
M41.君の瞳を巡る冒険 / Aqours
M42.WONDERFUL STORIES~勇気はどこに?君の胸に! / Aqours
M43.Growth Arrow / OLDCODEX
M44.One Side / OLDCODEX
M45.Heading to Over / OLDCODEX
M46.WALK / OLDCODEX
M47.Stand by…MUSIC!!! / アニサマ2018出演アーティスト 1st Day

(c)Animelo Summer Live 2018/MAGES.

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