――一方、高橋さんはエンディングでJ-POPのヒットソングをカバーしています。
高橋 最初、高木さんとしてエンディングを歌う、と聞いたときは「高木さんってキャラソンを歌うイメージないなー」って思ったんです。でも、J-POPのカバーということで「人は誰しもカラオケに行く」っていうところに辿りつき。
大原 (笑)。
高橋 そこが落としどころというか。だったら高木さんが歌っていても違和感がないですし、「高木さん、めっちゃ歌うまいね」って感じにならなくてもいいと思ったんですよ。
――中学生離れせず、高木さんとして違和感なく歌えるという感覚ですか?
高橋 そうですね。背伸びすることなく、カラオケでさらさらっと歌ったらたまたま恋愛ソングだったので受け手の人がちょっとドキッと感じてしまう、みたいな。
大原 (笑)。
高橋 その距離感でいいのかな、って思ったら肩の力がフッと抜けて歌えました。あとは録っていくなかで、アップテンポで元気な曲をどこまで高木さんの歌い方で出せるのか、どこまでささやいたら暗くならないか、といったところを音楽チームの皆さんとすり合わせていきました。楽曲のイメージにそぐわない音の出し方にならないよう、フレーズごとに探ったうえで、高木さんがどんな表情をしているか、「このセリフは直接的過ぎるから引いた方がいい」とか、アーティストさんの歌い方とは多分違うかもしれないですけど、「声優っぽく」歌いました。かなり細かく詰めていった感じです。
――高木さんが歌う必然性から深いところまでアプローチされていったんですね。
高橋 わりと理詰めで考えちゃうタイプなので。でも、作品によっていろいろと考え方を変えてはみるんですけど、『高木さん』は原作から大人気の作品だったので、プレッシャーもありましたし、よりお客さん側に立たないといけないし。しかもそのうえで自分の正解を見つけないといけないというところで、考え方の転機にもなりました。
大原 さっきとは逆に、私は声優さんの世界のことは分からないんですけど、やっぱり考えながら演技されてるんだな、って思いますね。このあいだ呼んでいただいたラジオ(『からかい上手の高“橋”さん』1月31日配信回)でもそういったお話を聞いて、「さらにまた楽しめる」って思いました。
――大原さんから見て、高木さんが歌うエンディングはいかがですか?
大原 いや、もう、かわいくて。
高橋 ありがとうございます。
大原 「AM11:00」は死ぬほど聴いています。“目を覚ましてよ”の部分が好きすぎて、「これ、目覚ましにしたい!」って思いながら。ラップの“でも君が好き”のところもちょっとホントに良くて!
高橋 いいリアクションしてくれてうれしいです(笑)。
大原 原曲を知ってるので、ちょっと語尾が上がるところで「何だこのかわいさは!」みたいな。ずっとこうやって(拳で机をたたく振り)聴いてました。
――感情移入の度合いがすごいですが、高橋さんは各原曲をどれくらいご存知でしたか?
高橋 半分以上知ってました。全部で7曲歌うんですけど、その中の四つくらいは学生時代に聴いていた曲でした。
――思い出深い曲というと?
高橋 いちばんは「小さな恋のうた」ですね。学生時代によくライブに行っていたんですけど、開演前に曲が流れているライブハウスも多いじゃないですか。観に行ったアーティストさんの曲というわけではなく、そういうところでよく流れていた楽曲だったんです。「学生時代によく通ったなー」とか、ライブが始まる前のドキドキワクワクとかを思い出しますね。あとは「気まぐれロマンティック」かな。『太鼓の達人』ですごくやりました(笑)。いきものがかりさんはカラオケでもよく歌っていましたし。あ、でも、(「AM11:00」の)HYさんも学生時代に聴いていましたね。私の年代だとHYさんを聴くのってちょっとオシャレ音楽系女子みたいなところがあって。HYさんの曲ってちょっと背伸びしたくなる曲たちだったんですよね。「最近好きな曲何?」「(ちょっとかっこつけて)HY」みたいな。
大原 (笑)。
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