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2017.04.18

1年3ヶ月ぶりに魅せた黒崎真音の魔法の一夜!“MAON KUROSAKI LIVE 2017 ~Magic of Live!~”レポート

1年3ヶ月ぶりに魅せた黒崎真音の魔法の一夜!“MAON KUROSAKI LIVE 2017 ~Magic of Live!~”レポート

デビューから7年を迎えたアニソンシンガー・黒崎真音。彼女の1年3ヶ月ぶりとなる東京ワンマンライブ“MAON KUROSAKI LIVE 2017 ~Magic of Live!~”が4月8日、品川ステラボールにて開催された。生バンドによる演奏、バックダンサーを従えた本格的なダンスステージによって、会場はタイトル通り、まさに魔法のような一夜となった。

時刻は18時。暗転したステージに6人のバックダンサーとともに入場してきた黒崎は、「品川行くよー!」とオーディエンスに元気に声をかけると、6thシングル「X-encounter」でライブをスタートさせる。赤いドレスに羽の付いたシルクハットをかぶった彼女の衣装はゴシックなイメージを漂わせ、「X-encounter」のダンサブルな曲調も相まって会場のボルテージを一気に加速させていく。また、ライブとしては約半年ぶりとなるステージ上の彼女を目にしたオーディエンスもその熱気に呼応し、赤いライトでフロアを染め上げる。この曲はTVアニメ『東京レイヴンズ』のOPテーマに起用されたこともあり、闇夜に羽ばたく鳥をイメージしたかのようなダンサーたちの艶めかしい動きがインパクトを放つ。続く2曲目は2ndアルバムから「starry×ray」。こちらもバンド・サウンドの魅力をたっぷり味わえるアッパーな楽曲であり、黒崎のビブラートの効いたハイトーン・ボイスがオーディエンスのコールアンドレスポンスとともに場内に響き渡る。

ハイテンションな楽曲でスタートを切った黒崎は「皆さんようこそ!今日はこの会場に音楽の魔法をかけていきたいと思います。最後まで歌って踊って楽しんでいって下さい!」とライブへの意気込みを熱く語ると、早速次の曲「FRIDAY MIDNIGHT PARTY!!」へと移行。終始笑顔を振りまきながらハイテンションなサビを歌唱すると、間奏では「皆さんもご一緒に!」とフロアも盛大なコールの渦へと巻き込んでいく。ゴシック調の怪しげなロックナンバー「The Nightmare Rock’n’Roll Show」では、演奏の前に楽曲の振り付けを観客にレクチャーする一幕も。ライブの3日前にはこのことを黒崎自身がTwitterで告知していたこともあり、オーディエンスも完璧な振り付けで応える。演奏後のMCでは「今回のイベントは、いろんな音楽の感情や気持ちを込めたキラキラした世界を皆さんに見てもらおうというコンセプトで作ってきました」とコメントし、4thアルバムから「scaninng resolution」、12thシングルから「Ignis memory」と希望に満ちたキラキラしたナンバーを歌唱する。特に「Ignis memory」ではラスサビまで迫力の歌声を情感たっぷりに歌い上げ、圧巻の歌唱力を見せつけた。

その後も、TRUSTRICKを迎えて制作された10thシングル「DEAD OR LIE」や、恋愛アドベンチャーゲーム『十鬼の絆 〜関ヶ原奇譚〜』のOPテーマ「十鬼の絆」といったストリングスを基調としたアグレッシブなナンバーを力強い歌声で響かせ、ここでもオーディエンスのコールアンドレスポンスを牽引していく。1stアルバムの「Glanz-沈黙の雪-」に続いて歌唱された「夢幻 -a true love tale-」「アフターグロウ」では、これまでのハードなパフォーマンスから一転、ピアノの伴奏に併せて情感豊かにしっとりと歌う姿も見られた。「夢幻 -a true love tale-」は、2011年に発表されたミニアルバム『五色詠-Immortal Lovers-』に収録されたもので、OVA『薄桜鬼 雪華録』第1話のEDテーマにも起用されている。黒崎自身、この曲をワンマンライブでの披露するのは初めてとのことで、「春に作ったこの曲をちょうど春に催されたこのライブで歌うことができました」と感慨深そうに語っていたのが印象的だった。さらに、TVアニメ『がっこうぐらし!』のEDテーマ「アフターグロウ」とTVアニメ『薄桜鬼 黎明録』のOPテーマ「黎鳴 -reimei-」といったヒットナンバーも披露。ドラマチックかつパワフルなボーカルで会場を包み込むと、一旦ステージから降壇して前半パートを締めくくった。

バックバンドによるエモいセッションの後、衣装チェンジした黒崎が再登壇。先のゴシックな衣装から一転し、今度はレザーのショートパンツに紫のチュールを設えたロックな出で立ちで姿を現した。そこで演奏されたのは、TVアニメ『DRIFTERS』のEDテーマでもある「VERMILLION」。黒崎にとって11枚目のシングルとなる本曲は、LUNASEAのギタリストで音楽プロデューサーのSUGIZOが手がけたもの。時空を超え戦う男たちの活躍を描いた『DRIFTERS』の作風にマッチしたハードなナンバーだ。その後も「Last Desire」、「Red Alert Carpet」、5thシングル「UNDER/SHAFT」、「刹那の果実」といったよりロックでスタイリッシュなラインナップが立て続けに繰り出される。また、6人のダンサーが黒崎の周囲を彩り、より官能的な世界を構築していく。「Red Alert Carpet」では、再度黒崎が振り付けをファンにレクチャーというサプライズが。今回はフロアの上手、下手、中央とそれぞれに違う振り付けを割り当てており、先程より難易度の高いものとなったが観客は一糸乱れぬ動きでそれに応じ、会場全体で振り上げられたタオルが彼女のステージを盛り上げていった。

アッパーチューンが連続で歌い上げられたところで再びMCパート。「私は音楽に出会うまでこれといった目標をもって生きてきたわけじゃなかったんです。でもあるとき、ある曲を聴いて『この世界に私と同じことを考えていた人がいたんだ』と感じて生きていくための勇気をもらいました。『いつか私もそんなメッセージを伝えたれる人になりたい』って思うようになったのが私の夢の始まりだったんです。過去より未来を向いて生きてもらいたい。そんな願いを込めて作った曲です。」そう強く語ったのは自身が作詞を手がけた1stアルバム収録の「hear..」。ストリングスとアコースティックサウンドを基調とした美しいバラード曲だ。「明日を語る夢を音楽で繋げた。それはひとりじゃ気づけなかったこと」その歌詞が彼女の活動の原点、そしてこれから道筋を端的に示しているように感じられた。次に披露された4thアルバムの「singing forever」も、彼女のメッセージ性が強く打ち出された楽曲であり、持ち前のしっとりとした歌唱で楽曲全体をバランス良くまとめ上げている。そして、ライブのラストを飾るのは彼女のデビューシングル「Magic∞world」だ。定番となったキラーチューンでライブを締めるあたり、彼女のファンサービスが垣間見えるセレクトといえるだろう。ラスサビは観客も巻き込んだ大合唱に包まれ、この日の心揺さぶられる光景のひとつとなった。

しかし、ここで終わらないのが“ヲ嬢”黒崎真音のステージ。オーディエンスのアンコールに応えて再び壇上に上がると、休む間もなく1stアルバムの「LOVE○JETCOASTER」でリスタートさせる。ここでの彼女はライブパーカーを羽織ったラフでかわいらしい姿。サビでタオルを振り回すダンサーたちの仕草も実にキュートだ。「アンコールありがとう」とフロアに笑顔を振りまいた彼女は「大事なお話」との前置きの後、自身のデビューアルバム『H.O.T.D』の楽曲が使用されたTVアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の原作者・佐藤大輔氏の早すぎる死を偲んだ。「先生は私がデビューして間もない頃からずっと応援してくださって、手土産をいただいたりメッセージをくださったりと随分励まされました。この曲を天国の先生に届くくらい一生懸命歌います!」と『H.O.T.D』からポップなロックチューン「The Eternal Song」を歌唱。フロアの手拍子に併せて熱唱を終えると、最後に「佐藤先生ありがとうございました!」と天を仰いだ。アンコールも締めとなり、「これからも前に進んでいきたいという気持ちを込めて」と彼女がセレクトしたラストナンバーは7thシングルから「Wishful☆Garnet」と「楽園の翼」の2曲。最後まで全力で駆け抜けた彼女のステージは圧巻のサウンドとともに会場に響き渡った。メンバーたちとともに横一列で客席に向けて深々と礼をした黒崎は「明日も明るいぞ−!」と彼女らしい前向きで素敵なコメント。プレゼントにタオルをフロアに投げ入れると3時間にも及ぶステージは幕を閉じた。

やはり今回のライブは彼女が標榜したとおり、音楽の持つ力こそが「魔法」だったのだと改めて思い知らされた。彼女の音楽にかけたその熱い情熱は、ライブ、CDを問わずとてつもない熱量をもってリスナーのもとへ届いていく。そして彼女のファンに対するひたむきな姿勢、自分を磨こうとする向上心はデビューから7年を経てもなお進化を続けていた。彼女が挑み続ける新たな魔法の物語からは私たちはまだまだ目が離せないのだ。

Text by 鈴木遼介(セブンデイズウォー)
Photography by 西原史顕

“MAON KUROSAKI LIVE 2017 ~Magic of Live!~”
2017.04.08@品川ステラボール
【SET LIST】
M1:X-encounter
M2:starry × ray
M3:FRIDAY MIDNIGHT PARTY!!
M4:The Nightmare Rock’n’Roll Show
M5:scaninng resolution
M6:Ignis memory
M7:DEAD OR LIE
M8:十鬼の絆
M9:Glanz-沈黙の雪-
M10:夢幻 -a true love tale-
M11:アフターグロウ
M12:黎鳴 -reimei-
M13:VERMILLION
M14:Last Desire
M15:Red Alert Carpet
M16:UNDER/SHAFT
M17:刹那の果実
M18:hear..
M19:singing forever
M20:Magic∞world
-Encore-
EN1:LOVE○JETCOASTER
EN2:The Eternal Song
EN3:Wishful☆Garnet
EN4:楽園の翼

関連リンク

黒崎真音オフィシャルサイト

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