待望のセカン2ndシングルが完成!OVA『クビキリサイクル』OPテーマ「群青世界(コバルトワールド)」リリース記念、三月のパンタシア ボーカル・みあインタビュー

今年6月にTVアニメ『キズナイーバー』EDテーマ「はじまりの速度」でメジャー・デビューを果たした三月のパンタシア。待望の2ndシングル「群青世界(コバルト・ワールド)が12月14日にリリースされる。OVA『クビキリサイクル』のOPテーマとなっている本作について、ボーカルのみあに話を聞いた。

――前回のインタビューでお会いしてから、あっという間に半年ほど経っていますね。

みあ 私も、体感としては本当にあっという間でした。6月に「はじまりの速度」でメジャー・デビューをしてから、実はすぐに「年内にもう1枚シングルが出せることになった」と聞きました。「でも、2ndシングルがリリースされる12月って、まだまだ先のことだよな……」なんて思っていたのですが、デモの選定や楽曲制作をしているうちに、気がつけばもうすぐ発売日で(笑)。だからこそ、一日一日、一つひとつの事とていねいに向き合っていきたいなと改めて思いましたね。これからもっといろいろなものを吸収したいし、楽しみに待っていてくれている人たちに、絶対に良い音楽を届けられるように、これからも一歩一歩をしっかり刻み付けていきたいなって。今回のシングル制作のために楽曲を集めていくなかで、本当にたくさん良い曲との出会いがあったんですよ。「この曲、みんなにも聴いてほしいな」とか「CDにして出したいな」とか、自然と考えていて……。

――音楽に対する意識が、メジャーデビュー前と後で変化した?

みあ そうだと思います。「はじまりの速度」は『キズナイーバー』のお陰もあって、作った曲をYouTubeなどで発表していたときよりも「たくさんの人に聴いてもらえた」という実感が持てました。三月のパンタシアに興味を持ってくれている人が少しずつ増えてきているのも感じていますし、それってすごく幸せなことだなって。

――「はじまりの速度」は配信を中心としたチャート・アクションも絶好調でしたし、Twitterを見ていても、ファンのみなさんのリアクションが日に日に大きくなっていましたよね。

みあ そうですね。SNSを通じてコメントをくださる皆さんの言葉は、私の自信になりました。これまでは良い曲や好きな曲があったら自分の中だけで完結していたものを、「これはみんなと共有したいな」とか、「いつか聴いてもらいたい」という気持ちになったことは、この半年で成長できた部分かもしれません。

――さて、改めまして2ndシングル「群青世界」(コバルトワールド)が12月14日にリリースされます。OVA『クビキリサイクル』のOPテーマとして制作された楽曲ですね。

みあ はい。もともと西尾維新さん作品の読者だったので、決まったときは素直に「うれしい」という感情がまず湧いてきて。そもそも『クビキリサイクル』がアニメ化されると発表されたときは、いちファンとして驚いていましたし、すごく楽しみにしていました。そのOPテーマを、メジャー・デビューしてから間もない私たちに担当させていただけるなんて、「こんなに幸せなことが続いていいのかな?」という気持ちもあって。だからこそ、楽しみにしてくれている皆さんに向けて、皆さんに絶対納得してもらえるような良い曲にしたいと思いました。アニメ本編と一緒に楽しんでもらえるような曲にしようって。

――もともと原作からお好きだったんですね。

みあ そうなんです。やっぱり、何度読んでも面白いですよね。設定やトリックの緻密さ、情報量の膨大さ、個性的なキャラクターの描き方……どれも本当にすごい。西尾さんのデビュー作でもある作品なので、このOVA化はファンの皆さんの期待も大きかったと思います。

――原作ファンということで、プレッシャーに感じた部分は?

みあ もちろん、ありました。作品に対する愛情が強ければ強いほど、自分が携わる身になって感じるプレッシャーは、すごく大きくて……だからといって、表現が小さくまとまるようなことがないように、慎重になりすぎて萎縮してしまわないように、気をつけていました。……それでも、当然そういう意識はありましたね。

――「はじまりの速度」はダイナミックなバンド・サウンドを打ち出した楽曲でしたが、今回はエレクトロ・サウンドを取り入れた全く違ったアプローチで。

みあ すごく神秘的で、だけど伝えたいことは真っ直ぐに伝わる、美しい曲になったと思っています。全体的に落ち着いたサウンドなのですが、だからこそ“静かな情熱”が伝わる曲になったと思っていて……。「はじまりの速度」とはガラッと違う世界観を楽しんでもらえるんじゃないかなと思いますね。

――今までYouTubeなどで発表していた楽曲の、どれとも違うタイプの楽曲です。新しいチャレンジになったのでは?

みあ そうですね。レコーディングでも、今までと違う部分が多くて。私はこの曲で、全体的に感情を抑制しながら歌うように意識したんです。特にサウンド感とのバランスなのですが、今までのように強く抑揚をつけたり、感情を放出させるように歌ってしまうと、バランスが悪くなって違和感を覚えてしまう。感情は溢れてくるけど、それを少し抑制するようにして……だからこそ生まれる、“静かな情熱”が真っ直ぐ聴いてくださる皆さんに伝わる曲になったらいいなと思いながら歌いました。まあ、言葉では「こう歌って」と言えるんですけど、実際にやってみるとすごく難しくって(苦笑)。感情を抑え過ぎてしまうと、ただの淡々としたきれいなだけの曲になってしまって、届かない感じがしてしまう。逆に乗せ過ぎると、サウンドや曲のムードとハマらなくなってしまう。

――なるほど。でも、その狙った絶妙な表現は端々から感じ取ることができますね

みあ 自分の感情を出したり、抑えたり……しっかりとコントロールをするのがすごく難しかったです。歌っていくうちに自然とそれができるようにはなったのですが、それでもやっぱりひと通り録り終えてから「前半は迷いがあるな」ということで、その部分だけ録り直させてもらったんです。何度も何度も試行錯誤をしながら歌っていって、完成した音源を聴かせていただいたときには、「これ、すごく良い曲だ……!」とちゃんと思うことができました。「早く聴いてもらいたい!」という気持ちが溢れてきましたね。

――今回は『物語シリーズ』でお馴染みのmeg rockさんが歌詞を書かれていますね。

みあ そうなんです……!書いていただけると聞いたときは、ファンとして「おおっ!」と思うところがあって。

――「来た!」と(笑)。

みあ やっぱりうれしくって(笑)。単純に、私が好きなアニメ作品の主題歌に関わられていることが多いので、よくお名前は拝見していたんです。だから今回ご一緒できて、そして本当に素晴らしい歌詞を書いていただき、感激でした。主人公の「ぼく」の気持ちを、なんでこういうふうに表現できるんだろう?って。心を隠してしまいがちで、不器用なんだけど、真っ直ぐな強い思い。この歌詞の中から、それがひしひしと感じられました。だから私も情景が浮かびやすかったですし、楽曲の世界にも浸りやすかったんです。

――『クビキリサイクル』との関連性も含めて、お好きな歌詞はありますか?

みあ 最初の“ぼくに足りないものは~”からの4行ですね。このフレーズが最初に来ると、ドキッとさせられてしまうんです。最初に歌詞を見せて頂いたとき、やっぱりいちばん驚きました。絶対に大切に歌いたいと思った部分でもありますね。あとはやっぱりサビが、目の前にいるたったひとりの、本当に大切な人に向けた歌詞だなと感じて……。ここもすごく好きです。原作を読んでいるみなさんは、「おっ!?」と思うフレーズだと思いますし、まだ読んでいないみなさんにとっては、謎解きのような感じになるのかな?って……(笑)。私もファンのひとりとして、この「群青世界」はアニメ本編と一緒に楽しむことをお勧めします。

――そして、カップリング曲「ブラックボードイレイザー」についてもお伺いいたします。こちらは三月のパンタシアの非常にエモーショナルな表現がグッと詰まった曲だなと感じました。

みあ いわゆる三角関係というか、切ない恋の歌になりました。「自分の大切な人を裏切りたくないから、自分の思いを消し去ろうとする」。そんな経験をしたことがある人って、私はきっと少なくないんじゃないかな?と思うんです。だから、すごく共感してもらえるような曲になったなと思っています。

――非常に物語的な、小説的な楽曲だと思いました。こういった恋の葛藤を歌われるときに尊重した部分や、気をつけた部分は?

みあ やはり、一度イメージをしてみるんです。「もし自分が好きな人と、親友が好きな人が同じになってしまったら……」って。その答えはわからないけれど、きっと、すごく苦しいだろうなぁって。切なくて苦しい、どうしていいかわからない……そんな思いをそのままぶつけるように歌いました。「ブラックボードイレイザー」は、生まれた感情をそのままを歌った、そういう楽曲ですね。

――「ブラックボードイレイザー」は携帯小説サイト「野いちご」とのコラボ企画で、現在この曲をテーマにしたノベライズコンテストが開催中です。

みあ 私たちの曲を聴いて、更に物語を紡いでもらえるというのは、すごくうれしいですね。私も作品を読ませてもらうのがすごく楽しみです。面白いなと思ったのが、私はこの曲って「自分の好きな人と親友の好きな人が同じで、大切な人を裏切るか、自分の気持ちを消そうとするのか」という葛藤を歌ったものだという解釈だったんですよ。でもそうじゃなくて、「自分にはお付き合いしているパートナーがいて、そのパートナー以外に好きな人ができてしまった」という、心変わりに対する葛藤として捉えている方もいたんです。それは私にはない発想だなって(笑)。そういう解釈の違いも見ることができて、すごく面白かったですね。なかなかそこまで深く、一人ひとりの解釈を見せてもらえることってないので。とても新鮮でした。しかもこの曲、関係性は描かれているのですが、結末が描かれていないんです。「この女の子はどういう答えを出した?」というのは、歌詞には書かれていない。だからみなさんはどう形で、この先の物語を描くのかな?って。

――改めて、まったくタイプの違う楽曲が2曲並んだ、三月のパンタシアの音楽的な幅を示すようなシングルになりましたね。さて、三月のパンタシアというプロジェクトが発足されてから1年以上が経ち、メジャー・デビューから半年が経ちましたが、改めてみあさんにとって、三月のパンタシアとはどういった存在なのでしょうか?

みあ 私がいちばん、素直に感情を伝えられる場所……かな。私って、自分の本心を隠してしまいがちというか、「伝えたいけど、伝えられなかった」と思うことが多いんです。「言いたいけど言えなかった」とか、そういう経験ばっかりで。でも三月のパンタシアで歌っているときは、そういう感情を表現する部分が滑らかになるというか、いろいろな感情が生まれてきて、「私って本当はこんな感じ方もするんだ……」という発見をすることがたくさんあります。歌という表現で、私はいちばん素直になれる。だからこそ、初めて見えてくるものもある……三月のパンタシアは、私に“自由”を与えてくれたのかもしれません。

――素直に歌で感情表現することもできるし、知らない自分にも出会える?

みあ こういう感情についても、インタビューを受けるなかで、改めて自分と向き合うからこそ気づかされるわけですから、不思議な感じがしますよね(苦笑)。でもそれって、すごく気持ちが良いことでもあったりするし、感情は溜め込むよりも、ちゃんと吐き出せた方が楽だなと思うこともあります。またこれから変わっていくのかもしれないけれど、今はそういう新しい私を見つけている感じなのかな……?って。私、実はすぐに悩んだり、塞ぎ込んだり、落ち込みやすいし……でもそれが、良い方向に変わってきているなとは思いますね。最初は自分でも、「こんなに素直に感情を出してしまっていいのかな?」という迷いもありました。でも私、三月のパンタシアがすごく好きなんですよ。だからここでは、素直な自分でいようって思うんです。

――そんな三月のパンタシアですが、2017年は早々から新しい展開が決まっているそうですね。

みあ 本当にありがたいお話なのですが、2017年2月には3rdシングルをリリースさせていただけることになっています。とにかく今は、しっかり前を見て、走り続けていきたいなという思いがありますね。もっともっとたくさんの方に聴いてもらいたいし、もっともっと届けたい。だからこそ私がいちばん頑張らなきゃいけないなとも思います。あと2017年の目標として……すごくありがたいことに「ライブをやってほしい」という言葉をいただくことが多くなったんです。だからライブは、私の叶えたい願いでもありますね。今後の目標として、ぜひ実現させたいです。

Interview&Text By 冨田明宏


●リリース情報
「群青世界(コバルトワールド)」
12月14日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:KSCL-2812~13
価格:¥1,500+税

【通常盤(CD)】
品番:KSCL-2814
価格:¥1,100+税

<CD>
1. 群青世界
作詞:meg rock 作曲:aokado 編曲:ゆうゆ
2. ブラックボードイレイザー
作詞・作曲・編曲:40mP
3. 群青世界 -Instrumental-

<DVD>
群青世界 -Music Video-

【期間生産限定盤(CD+DVD)】
品番:KSCL-2815~16
価格:¥1,500+税

<CD>
1. 群青世界
2. ブラックボードイレイザー
3. 群青世界 -アニメSize-

<DVD>
「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」ノンクレジットオープニング

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