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INTERVIEW

2015.08.07

中村繪里子DJ連載 第1回「DJとはなんぞや?」

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『アイドルマスター』天海春香役などで活躍する中村繪里子さんが、DJに初挑戦する特別企画『NAKAMURA IN THE HOUSE!!』。
Anilab.所属のDJ・chefobaさんを講師としてお招きし、機材の使い方から曲の繋ぎ方まで、DJをするために必要な様々なことを教えていただきます!
第一回は中村さんがchefobaさんに、「DJとはなんぞや?」という心構えをうかがいます……が! まずはその前に、機材の慣らしも兼ねてchefobaさんにその腕前を披露していただきました!

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音声でお届けできないのが残念ですが曲の繋ぎがすごくスムーズ! そして長髪をなびかせながら操作するchefobaさんがかっこいい!

そもそもDJとは?

――すげえ! というわけで今回中村繪里子さんがDJを始めるということで、講師としてchefobaさんにお越しいただきましたー!

中村 すごかったです! まだDJのことは何もわかってない卵の状態なので、しっかりDJとして孵化してこんな風にプレイできる日が来るのかどうか……。

chefoba 大丈夫です。ちゃんと一人前に羽ばたけます! 今回はよろしくお願いします。

中村 よろしくお願いします!

――ちなみに中村さんはDJという職業と接点はありましたか?

中村 実際にDJをプレイされてるところでお会いしたことはなかったんですが、違う現場でお話したことはあります。

chefoba なるほど。実際にどんなことをしているのかまではご存知ないんですね。

中村 あと、最近は本職じゃなくても気軽に始められるようになったじゃないですか。お友だちは趣味でDJをやっていて、明け方にクラブ帰りのお友だちが家に寄ってくれて機材を見せてもらったりということはあるんですが、いろいろ説明してくれるのを「そうなんだー!」って言ったまま私はスルーしているので(笑)。

chefoba そこはもっと突っ込んでください!(笑)

中村 あと音楽を作っている劇団の方々とラジオの現場でお会いして、実際にDJを見せていただくことはありました。その方々はターンテーブルじゃなくてキーボードで演奏するスタイルで、「元々弾く人だからこっちのほうが性にあってるんだよね」って(笑)。私びっくりして。

chefoba それはDJの中でもなかなかの達人ですね!

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――今回まずは中村さんにDJとして基本的なことを覚えていただくということで、実際どんなことをするものでしょうか?

chefoba DJと一口に言っても様々なんですが、基本的にはその空間に対して、場所に見合った雰囲気の音楽を届けるのがDJの仕事ですね。バーでDJをするのであれば盛り上げるよりもお酒がおいしく飲めるように、お話の邪魔にならないように雰囲気を作ることになります。逆に大きなフェスであればお客さんを最高に盛り上げるために、いわゆるアーティストDJと言われる方々がプレイしたり、場所がクラブならば規模は違えど同じように盛り上げることが目的になります。

中村 なるほどー! 空間コーディネーターみたいな感じなんですね! そこから今はDJというもの自体にスポットが当たるようになったのは不思議ですね。

chefoba 先ほど中村さんがおっしゃっていたように、今は誰もがDJを始めやすくなったので、どんどん注目度が高まってきているんですね。昔はレコードが必要で、それを何枚も持って歩くのは大変でしたが、今はデータで簡単に扱うことができますから。女性でも気軽に始められますし、うまい人のプレイを見るためにクラブに行くようになるということもあると思います。

――今“リスアニ!ナイト”というDJのイベントができているのもそういった注目あってのことですね。

chefoba そうですね。

中村 元々裏方として音楽を提供していたDJが、DJがメインになってそのための場所が提供されてというのは逆転してきてるんですね。

chefoba やっぱり上手さや、その人の個性もあるので、空間を作っている同じDJの中でも“あの人のDJを見たい”という人が増えてきて、それ自体がひとつのイベントになってきているのはたしかにあります。現場にもよりますが、僕がDJをよくやらせていただいてるアニソンの現場はライブに近い感覚ですね。お客さんがサイリウムを持って、自分の好きな曲がかかるとライブのような熱気が伝わってきてすごいです。

中村 たしかに、外で自分の好きな音楽をいろんな人と一緒に聴いて盛り上がる感覚は楽しいと思います! アニメとかのジャンルだと閉じこもって鑑賞するのがスタートになると思うので、外で同じ趣味を持っている人たちと結びつきができるのはうれしいだろうなって。

chefoba いいですね! 最近は誤解も薄れてきているとは思いますが、よくクラブと聴いて怖いというイメージを抱く方もいるじゃないですか。

中村 わかります!「ヘイ!」みたいな(笑)。腰パンで帽子のつばをうしろに被ってチェーンがジャラって……。

chefoba そういう怖い人はいませんから(笑)。一回実際の現場に来ていただいて、多くの人に、一緒に音楽を楽しめる感覚を知っていただけたらいいなって思います。

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曲を繋ぐときの心構えとは!?

――DJのことを知ったうえで、実際必要な技術についてお聞きしたいと思いますが、どういたことが必要になるんでしょうか?

chefoba 基本的には違うふたつの曲を繋いでスムーズに自分の時間を作っていくということをステージ上でやっています。ライブだと一曲ずつで終わりがくるんですが、そうではなく、お客さんの盛り上がりをずっと持続させたり、少し休ませる部分をつくったりすることで場をコントロールするのがDJの仕事です。

中村 今の話を聞いていて、自分もライブをするときにメドレーを披露することがあるんですけど、それもDJ的なことに当たるのかなと思いました。お客さんの知っている曲が来たときの盛り上がりを、アリーナで体感したときに、私もすごく楽しかったのをしっかり覚えてます!

chefoba まさに! おっしゃるとおりで、曲が終わってワクワク感を保ったまま次の曲に繋いで、「この曲が来たか!」という驚きと喜びを作れるのはDJの喜びでもありますね。

――特にアニソンの現場は皆さんアニメを観てたくさんの曲を知っている人が多いので、イントロを聴いて「知ってる!」ということで段階的に盛り上がっていきますよね。

中村 それを見越して曲を選んでいくんですね。

chefoba そうですね。ずっとアゲアゲの曲ばかり続いてしまうとお客さんも疲れたり飽きたりしてしまうので、だんだん上げていったり、うまく休ませる箇所を作って飽きさせずにやるかというのも大事な部分です。

中村 ジェットコースターみたいですね! 上がったり下がったりして。

chefoba 落下するところは楽しくても、ずっと落下し続けるジェットコースターでは面白くないですからね(笑)。

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――そういうところは難しいですよね。以前自分でDJをやったときは「これは刺さるだろう」と思って流した曲が案外刺さらなかったりして。

chefoba お客さんのリアクションはすごく正直ですよね。

中村 ライブだとアーティスト本人が歌っているから、知らない曲でも盛り上げようとする意識は多少あると思います。曲をたくさん知っていて、なおかつそれをうまく構成していくのは難しそうです。

chefoba その場にいる人のリアクション次第で可能性は限りないので、何をしたら正解というのはないですね。

中村 単純に自分の好きな曲を順番に繋げるということではないんですね。これは一朝一夕でできることではなさそうな……。

chefoba でもポイントはありますので、それを抑えればできるようになります。いつもそんな難しいことをステージ上でやっていると頭の中がこんがらがってしまいますから(笑)。

中村 実際こんがらがったことはありますか?

chefoba ありますね。間違ってかけていたほうの曲を止めてしまったりとか……。家で練習している環境とは舞い上がり方が全然違うので。

中村 ライブとか似たような状況に置き換えると私も非常にわかります!

chefoba 機材も現場にあるものを使用するので事前チェックは必要ですし、想定外のトラブルも起こりえます。そういう細かいことは今後教えていきたいと思います。

中村 ありがうございます! ちなみにまったく関係ない質問なんですけど、DJってモテるんですか?

chefoba いやー……(笑)、「モテます」って言ったほうがいいんですかね?(笑)

――僕もそれ気になりますね(笑)。

中村 私が中高生のときはバンドをやったらモテるみたいな風潮があったんです! 私もちょっとだけ「モテよう!」と思って軽音部に入ったんですけどまったくダメでした(笑)。

――そのへんはやはり上手にカッコいいプレイを決めたらモテるんじゃないですか?(笑)

chefoba 極めていけばモテモテになります、ただし個人差はあります、ということで(笑)。

中村 そうかー! やっぱりそこなんですね。頑張ります!

chefoba どうなりたいかという明確なビジョンがあるのは非常に大事だと思うので、ぜひそれをめざしてください(笑)。

中村 わかりました! モテたい!

――ステージ上で中村さんがビシッとDJして決まったらそれはもうカッコいいと思います(笑)。お客さんも普段と違う中村さんを見たら惚れ直しますよ。

中村 マジっすか!? たしかに「今日はあいつ喋ってねーな」みたいな(笑)。

chefoba ビシッとやるのもカッコいいですけど、さっきも言ったようにDJそれぞれ個性があるので、一曲一曲トークを挟んだりするプレイもアリですよ。ニッポン放送の吉田尚記さんもDJされるとき結構喋ってましたし。

中村 たしかに言ってました!「困ったら喋れるから楽」だって!(笑)

chefoba それもひとつの武器ですよね。

――中村さんが自分なりのDJスタイルを見つけていくというのも課題ですね。そんなわけで次回から実際にDJ機材に触りながらやっていきたいと思います!

中村 chefoba よろしくお願いします!

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Photography By 小島マサヒロ / Interview By 澄川龍一(リスアニ!) / Text By 大用尚宏


<中村繪里子 プロフィール>
声優。「アイドルマスター」シリーズの天海春香役、「ワラッチャオ」のスミスちゃん役をはじめ、数々のアニメ、ゲーム作品に出演。「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」が10月より放送スタート。多くのラジオ番組のパーソナリティとしても絶大な支持を得ている。また音楽活動として、自身のソロ・ライブ・イベント“ら♡ら☆ら♪ なかむランド~Love♡Laugh☆Live♪~”を開催している。
■中村繪里子 Twitter

<chefoba プロフィール>
中学生で初めてユーロダンスに出会い、高校1年生でターンテーブルを手に入れてから、トランス、ハウス、ブレイクビーツなど様々なジャンルの現場を転々と巡る。現在はアニソンDJグループ“AniLab.”に所属し、秋葉原MOGRAで毎月第一土曜に開催されるANISON MATRIX!!を中心に、これまで培ってきた知識や感性を、アニメ・ソングのDJというスタイルに落とし込むプレイを展開する。また、ベース・ミュージックに特化したネットレーベル“Lowfer Records”の主宰も務め、自身も作曲活動など音楽への多角的なアプローチの仕方を日夜模索し続けている。
■chefoba SoundCloud
■chefoba Twitter


●イベント情報
“リスアニ!ナイト Vol.05”
中村さんのDJ初ステージとなる、アニメ音楽誌「リスアニ!」が送る新感覚のアニソン系クラブ・イベント。様々なステージで活躍する人気DJをはじめ、アーティストや声優、アナウンサーにアニメ監督、編集者まで……とアニメとアニソンをバックグラウンドにしたDJたちが登場し、フロアを盛り上げます。
今回で第5回目となることを記念し、これまで数々の伝説を作り上げた新宿ロフトから恵比寿リキッドルームに場所を移動。“1st Anniversary SPECIAL EDITION”として、1周年を記念したスペシャル編ならではのラインナップで拡大開催!この連載を経て初ステージに立つ中村さんをお見逃しなく!!

【イベント概要】
タイトル:リスアニ!ナイト Vol.05 1st Anniversary SPECIAL EDITION
日時:2015年9月23日(水・祝)
会場:恵比寿リキッドルーム(東京)
開場/開演:14:00 / 15:00
チケット:オールスタンディング ¥4,000(税込)※ドリンク代別途 500円必要
出演:アニメーションラボラトリー(アニラボ.) / kz(livetune) / Taque Iwasaki feat. Lotus Juice【LIVE】 / 2 ANIMEny DJs(ミト/牛尾憲輔)/DJ WILDPARTY / 中村繪里子 / PandaBoY / 吉田尚記 …and more!(五十音順)
主催:エムオン・エンタテインメント
企画:リスアニ!編集部
制作:バンダイナムコ ライブクリエイティブ
公式HPはこちらから

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